わきみず 粕谷・上祖師谷地域しんぶん 発行号:第124号 発行日:2025年(令和7年)7月(年2回発行) 発行者:上祖師谷地区ミニコミ編集委員会 事務局:上祖師谷まちづくりセンター 電話番号 03-3305-8611 ファクシミリ 03-5384-7196 上祖師谷地区ビジョン 音楽と花と文学と笑顔があふれるまち粕谷・上祖師谷 千歳台のガスタンク 年表 1927年:大東京道路網計画 東京府全体の道路網の策定 環状8号線の原形が策定 1931年:(東京府)郡部における瓦斯供給の許可 東京瓦斯による東京圏新規地域への独占供給が認可 1946:戦災地復興計画方針  環状8号線の都市計画決定 1956:東京ガス世田谷調圧所開設(現:東京ガスネットワーク世田谷整圧所) 1.ガスタンクって何? 皆さんが日頃見ている巨大な球体のガスタンク(粕谷1-7-8付近)。正式名称は「ガスホルダー」といいます。 管理しているのは、東京ガスネットワーク(株)世田谷整圧所です。ガスホルダーの中にはLNG基地(都市ガスの製造工場)でつくられた気体の都市ガスが入っています。 ガスホルダーの役割は、季節や時間によって変化するガスの使用量に対応するため、都市ガスはLNG基地で作られた後、ガスホルダーに貯められます。 皆さんが寝ている間や日中の都市ガスをあまり使わない時間帯にはガスを貯めておき、朝や夕方などの需要が多い時間には貯めた都市ガスを送り出し、 いつでも必要な時間帯に都市ガスが使えるよう調節することができるのです。言わば、いつでもガスが使えるようにするためにある「都市ガスの貯金箱」です。 2.ガスホルダーって災害時でも安全なの? ガスホルダーの球体の部分は何枚もの鋼板を繋ぎ合わせて作られています。 最新の技術や工法を取り入れて設計・施工されていて、震度7クラスの大地震にも十分耐えられます。 平成7年の阪神・淡路大震災や平成23年の東日本大震災において、震度7相当の地域にもガスホルダーはありましたが、大きな被害はありませんでした。 また、ガスホルダーの周囲は広く空間を取っており、周囲に火災が発生しても直接炎でガスホルダーが焼かれることはありません。 熱風がガスホルダーに触れた場合でも熱に強い鋼板を使っているため、影響ありません。 台風の際は、ガスホルダーは球形をしているので、風の力を受けにくくなっています。実際130m/秒の風が吹いても平気です。 ですから、ガスホルダーはどんな台風がきてもびくともしません。雷が落ちた際には、ガスホルダーに避雷針が付けてあるので安全です。 また、ガスホルダー自体が鋼鉄でできているので、全体が避雷針そのものため、心配ありません。 このように、ガスホルダーはどのような災害時でも安全に管理されていることが分かります。 3.世田谷整圧所開設と周辺の移り変わり 世田谷整圧所の開設時期は、環状8号線の本格着工決定と一致します。航空写真によると、1927年以降の環状8号線の工事は進まず、 現在の千歳台交差点付近の工事は、第三京浜開通後の1966年頃に工事に着手、1971年には道路状に整備された様子が確認でき、 1978年には道路上を自動車が通行する様子が確認できました。 戦後の現地付近は人家も疎らな長閑な農村でしたが、1956年頃に八間道路が部分開通した頃から急速に宅地化が始まり、世田谷整圧所の開設とも重なります。 その後、23区の外縁部に当たる周辺地域は急速に都市化が進行しました。 同施設は国内初の球形ガスホルダー(アメリカより輸入)1号機と2号機の2基で当初開設されました。 1961年頃には4基に造設、更に環状8号線の工事が本格化した1966年頃には6基に増設されました。 その後、1971年頃には滝坂道(都道118号線)の拡幅と南側の畑地の区画整理事業が同時に進行、 区画整理事業完了後の1979年頃には1号機と2号を、大容量の7号機に置き換えられ、現在は5基となっています。 参考文献:国土地理院ウェブサイトhttps://www.gsi.go.jp/top.html 東京ガスネットワーク(株)防災供給部発行ガスホルダーってなぁ〜に? 東京府史行政編第四巻