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最終更新日 2023年11月29日
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令和5年度6回目となる記者会見を始めます。
11月1日から6日まで、日本最大規模の子ども国際映画祭である第30回キネコ国際映画祭が二子玉川で開催されました。一般社団法人キネコフイルム主催、世田谷区共催で、二子玉川を会場にしての開催は7回目となります。
6日間で12万5,000人の方が来場されたと聞いております。初日のオープニングセレモニーでは、私はこの映画祭チェアマンとして、アートディレクターの森本千絵さんとともに映画祭の見どころについてお話しさせていただきました。
また、子ども専門の映画祭は世界各国でも開催されているのですが、チェコから来日されたズリーン国際映画祭プレジデントのチェスミール・ベンチェラさんに、キネコ名誉賞の授与をさせていただきました。最終日のクロージングセレモニーでは、インドネシアの長編作品「あきらめないテガール」に世田谷区賞の授与を行いました。主演俳優のモハマド・アルディフィ・テガールジャーサさんは、映画出演は初めてだったのですが、障害を乗り越えて熱演され、すばらしい評価を皆さんからいただきました。スライドの写真にあるように、レッドカーペットを子どもたちが歩いていますが、子どもたちが審査員というのがこの映画祭の特色です。
二子玉川公園ではアウトドアワークショップや、「きかんしゃトーマス」のアトラクション、大きなトーマスに子どもたちが行列を作っていました。また、水素カーからの給電によるバスケシュートロボット体験など様々な出店がありました。また、多摩川の河川敷では野外上映や、ソープボックスカーの体験も行われ、チェコセンター東京、チェコ政府観光局との共催によるチェコフェスティバルも開催されました。
二子玉川での開催が定着しつつあるキネコ国際映画祭は、子どもたちの映画や、各国における平和や独特の課題、あるいは各国共通の思春期の揺らぎ、様々なテーマで秀作が集められていました。
次は、「新しい区民利用交流拠点施設を考えるシンポジウム」についてです。新しい本庁舎に設置する区民会館、区民交流スペースや広場、屋上庭園などから構成された、多くの区民や団体・グループの方との協働・交流の拠点を目指した施設です。
これらの施設をどのように運営・利用していくかについて意見交換する「新しい区民利用交流拠点施設を考えるシンポジウム~協働・交流の場に向けて~」を11月5日に開催しました。
これまで検討にご参画いただいた学識経験者の先生方と、令和5年に実施した区民ワークショップに参加された2名の区民の方にパネリストとして登壇いただき、37名に参加いただきました。
当該施設は、工期に合わせて3段階で開設していきます。まず、令和5年度末に竣工予定の1期工事ではホール、集会室、練習室等で構成する世田谷区民会館が整備されます。ホールは、従来の区民会館のホール部分を保存・改修したもので、椅子や床、舞台、天井、楽屋などの設備は全てリニューアルします。ホールの外観は真新しい風合いではなく、従来と変わらないようなコンクリートの風合いとしており、全体として調和のとれた外観となります。
そして、2期工事で広場などが整備されるとともに、約500平方メートルあるピロティが区民利用スペースになります。また、本庁舎の東棟には屋上庭園ができ上がります。
最後に3期工事でキッチン付きの区民交流室が誕生します。
新庁舎2階部分に設置されるリングテラスに面して、ミーティング等ができるような区民利用スペースができ上がっていきます。
シンポジウムでは、第1部でこれまでの検討内容についてパネリストの方々にお話しいただき、第2部でパネルディスカッションを行いました。
多くの区民の方や団体の方にご利用いただき、協働・交流の場としていくために必要なことという視点で議論し、魅力的な活動を展開し、これまで区役所に来なかった人も呼び込んでいくことや拠点施設での活動を各地域に広げていくことも重要であるなど、活発な議論になりました。以前の区民会館ホールは、世田谷総合支所の所管により運営していましたが、今回は生活文化政策部が所管となり、全区的な文化発信の場としてスタートしていきます。
次に、「大学学長と区長との懇談会」を東京農業大学国際センター榎本ホールで開催しました。区内には17大学または学部があり、大変恵まれた環境にあります。区内各大学等が持つ強みや専門性、資源等を活かして連携を進めるため、平成26年から毎年、学長・学部長の皆さんにお集まりいただき、区民や教育現場、区の交流自治体なども含め、大学の活動とコラボレーションできる区のニーズについて語り合ってきました。今年は「事例から見る今後の連携」をテーマとして、13人の学長・学部長に参加いただきました。
各大学で100を超えるプロジェクトが区内で展開されています。それぞれの大学がどのようなことに重きを置いているのか、各学長・学部長より事例をあげてご紹介いただきました。今回の懇談会以外にも、事務局レベルで年に数回の情報交換会等を行っています。大学のネットワークということで、子どもたちが通う学校や、学校に行くことが中々できない不登校の子たちへの教育の場など、教育現場からの参加・連携も期待しています。
次に、IFLA-APR2023日本大会についてです。国際ランドスケープアーキテクト連盟(IFLA)による、アジア太平洋地域会議(APR)が、11月16日から18日にかけて二子玉川ライズスタジオ&ホールで開催されました。日本では約20年ぶりの開催で、アジア太平洋の国々20か国が参加し、会場では約270人、オンラインのライブ配信も含めると約1千人を超える方が参加した国際大会となりました。
本大会は、「Living with Disasters(自然とともに生きていく)」をテーマとし、災害や気候変動が厳しい時代に、次世代へ環境を渡していくために、世界共通の目標として掲げられたSDGs(エスディージーズ)の実現に向けて、自然との共生が文化の根源にあると言われるアジアモンスーン地域の暮らしに解決のヒントがあるのではないかと、アジアで活躍するランドスケープアーキテクトが一堂に会して意見交換が行われました。
私も開会式に出席し、各国参加者へのご挨拶とともに、区のみどり政策や参加と協働によるまちづくりの事例等をお話しさせていただきました。
区の基本計画審議委員も務めていただいた涌井史郎氏をはじめ、2019年アメリカのタイム誌で、世界の未来を形づくる新星100人(2019 TIME 100 next)に選ばれたコチャコーン・ヴォラコム氏の講演
昨年、区にお越しいただき、環境先進都市ポートランド市の取り組みなどを伝えていただいたドーン・ウチヤマポートランド環境局長の講演もあり、深い議論が交わされていました。
大会テーマの「グリーンインフラ」「ウェルビーイング」「ランドスケープカルチャー」を題材として、アジアの未来を背負う各国学生が参加する国際学生ワークショッププレゼンテーションも行われ、最優秀作品の選定には世田谷区も選考委員として出席し、授賞式に立ち会いました。
クロージングセッションでは、持続可能な社会の実現に向け、国だけではなく、地域から発信していくことの重要性を改めて確認しあい、本大会主催の国際ランドスケープアーキテクト連盟と区による共同宣言を行いました。「みどりの量の確保、みどりの質の向上、区民参加の推進」をもって、世田谷らしいランドスケープに取り組み、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを着実に進めていく決意をアジアの皆さんへお伝えしました。
また、参加者とともに、区内のランドスケープの事例をめぐるテクニカルツアーも開催されました。区職員の案内で、多摩川河川敷に広がる兵庫島公園をスタートし、整備後10周年を迎える二子玉川公園や園内にある、車椅子で一巡できる日本庭園の帰真園をご覧いただき、玉川野毛町公園のオープンパークもご紹介しました。区では3ヘクタール近い国土交通省の宿舎跡だった玉川野毛町公園の拡張用地を、子育てや森の再生、歴史を学ぶグループなど10以上のグループにより、区民参加による協働の公園づくりを進めていることを紹介しました。
最近は都心部の再開発のあり方が議論されることもあります。例えば、限られた関係者だけに情報が共有され、計画が固まり、公告されているいう話も耳にします。そうしたケースとは大きく異なる手法として、実際に取り組みも見ていただきました。
また、同じく区民参加を積み重ね、区と鉄道事業者が連携しながら整備した小田急線上部利用も見学いただきました。
区民参加による協働という手法や、気候危機、激甚化する気象災害などにどのように取り組むか、更に深めていく大変有意義な会議となりました。
続いて、関東大震災から100周年を迎える令和5年、区では「在宅避難への備え」など、区民一人ひとりの防災意識を高め、地域防災力の向上を図ることを目的として、国士舘大学との共催により「せたがや防災イベント」を開催します。
12月10日(日曜日)午前10時から国士舘大学、若林公園、区役所周辺等を会場とし、地元町会や世田谷消防署、その他関係機関に協力いただき、実演や展示、体験イベントを多数行います。
午後のシンポジウムでは、「首都直下地震 震災後の避難生活を考える」をテーマとして、基調講演に、東京大学大学院の田中淳氏をお迎えします。パネルディスカッションでは、コーディネーターを国士館大学教授の山﨑登さんにお願いして、サレジアン国際学園世田谷中学高等学校教諭の亰氏など、防災に関わる第一人者にお集まりいただき議論を深め、有意義な討論ができればと思っています。また、合間にはお笑いライブが行われる予定です。
令和5年度の寄附の状況は、10月末時点で、法人等を含めた全体で約1億5,000万円と昨年度の同時期と比較して約9,600万円の増となっています。9月は制度改正前の駆け込みの影響もあり、9月だけで6,000万円を超える寄付をいただきました。また、「児童養護施設退所者等奨学・自立支援基金」には、約2,500万円という多額の寄付をいただきました。令和4年度には奨学金の上限金額を36万円から50万円に引き上げ、さらに令和5年度からは奨学金の対象者を拡充、家賃支援としても進学・就職の進路に限らず、上限月額3万円とし、支援体制を拡充しています。
また、「医療的ケア児の笑顔を支える基金」には約1,100万円の寄付をいただいており、いずれも令和4年度の同時期よりも多くの寄付をいただいています。
さらに、この夏から開始した「せたがや動物とともにいきるまちプロジェクト」には、約300万円の寄付がありました。こうした取組みや令和4年秋からの返礼品の拡充により、寄附金の増加が続いています。区を知っていただく裾野が広がったと捉えています。また、社会貢献型や地域貢献型の寄附にも関心が注がれ、寄附額が増えていることは歓迎したいと思います。
より一層の寄附獲得を目指して、この度文化芸術に絡めた新たな返礼品を用意しましたのでご紹介します。
一つ目は、草ぶき屋根の民家を描き続けた画家、向井潤吉氏の版画作品「檜原村数馬大平(ひのはらむらかずまおおひら」を額装してお届けするものです。区内の弦巻にある向井氏のアトリエ兼住居は現在、世田谷美術館分館向井潤吉アトリエ館として公開されています。本作品はすでに原版がなく、この貴重な逸品を額装してお届けします。なお、作中の民家は檜原村に旅館として現存しており、「兜造り」と呼ばれる屋根形状で蚕室が建物内組み込まれ、独特な形状に進化したものです。世界的な日本の養蚕の歴史を語る上で、重要な文化財のひとつと言えます。
住まいであり、養蚕の場であった建物が、こうして伝え残されているところが魅力的な話であり、本作品はそんな古き良き日本の風景を思い起こすことができる秀作です。寄附金額は、
100万円、令和5年度の申込み期限は令和6年2月半ばまでです。美術やアートに関する返礼品の枠を広げていく検討の中から生まれたプロジェクトです。
次に、世田谷美術館と世田谷文学館について、鑑賞チケットに加えてレストランやカフェでご利用いただけるチケットとのセットを新たに用意しました。寄附金額6万5,000円でご提供します。これらは現在、国に返礼品として追加で申請する準備をしていますすので整い次第、寄附募集を開始していきます。
続いて、「まちと産業の魅力発信プロジェクト」についてです。これは令和4年秋に取組みを開始し、スイーツなどの返礼品を約100品を用意してスタートしました。
この度さらに拡充し、現在新たに50品について寄附募集を開始、または開始できるよう準備を進めています。令和4年度はスイーツや宿泊券、食事券が主でしたが、今回は新たに、おはぎの概念を覆す美しいアートワークで、SNSで人気のオーダーメイドおはぎ、季節柄、ドイツの伝統菓子であるシュトーレンもあります。また、日本ではここでしかない、台湾で行列の絶えない老舗姉妹店の肉まん、パンのセットなどバラエティに富んだ品物を用意しています。すでに人気の、既存の返礼品事業者による品も種類が増えています。さらなる追加に向けて現在調整しているところで、整い次第、寄附募集を開始します。
ふるさと納税による流出額99億円という大きな金額まで寄附を集めるのは困難なことと十分承知しつつも、ふるさと納税制度に対して、寄附金額の上限を設けることや住民税所得割の上限を2割から1割に戻すことなどは特別区長会を通して要望しています。流出するのみの一方としないために、これからも努力していきたいと思っています。
次に、世田谷区児童養護施設退所者等相談支援事業(せたエール)についてです。
児童養護施設等で集団生活をしてきた若者たちが、そこを巣立ち、アパートを借りて一人暮らしするといった際の相談の場が必要だということで、令和5年6月より新たに、児童養護施設や里親の元を巣立った若者たちを対象とした相談支援事業「せたエール」を実施しています。
せたエールでは、気軽に立ち寄っておしゃべりや食事を楽しめる居場所、自立に向けた不安や退所後の生活相談に応じる個別相談、自立に向けて様々な知識を学ぶセミナー、一人ひとりの状況に応じた継続支援計画の作成等の支援も行っています。支援対象者は、児童養護施設等で生活経験がある中学生、高校生、退所者等です。
せたエールの概要についてです。場所は下北沢駅徒歩1分と駅に近くわかりやすい場所です。居場所を開所する水曜日の14時から18時と、金曜日・日曜日・祝日の14時から20時は、予約なしで自由に立ち寄ることができます。個別相談の予約は、月曜日・土曜日を除く10時から18時に受け付けています。
開所後の実績は、9月末までに79名の居場所利用があり、22名の若者が登録しています。
せたエールは施設や里親等の元を巣立った後、困ったことがあった時や、誰かに話を聞いてほしい時、相談したい時に利用できる場として運営していきます。
次に、区の空家対策についてお話しします。
人口減社会に入り、少子高齢化が日本全国で進む中、区でも空家の増大に対処すべく取り組んでいます。平成30年には「世田谷区空家等対策計画」を策定し、空家の発生抑制や、適切な管理・流通・利活用、管理不全な空家への対策にも取り組んできました。
これまでに著しく管理不全な状態と認められる空家11棟について、法に規定する「特定空家等」と判断しています。民法で定める財産管理制度の仕組みを活用して解体した特定空家等は2棟、所有者に対して、法的手続きを重ねった結果、所有者が自ら解体を行った特定空家等が8棟、現在対応継続中の特定空家等が1棟あります。
過去に2回、空家等実態調査を行っており、平成28・29年度の調査では966棟、令和3年度の調査では883棟の空家等を把握しています。
令和5年6月に改正された「空家等対策の推進に関する特別措置法」が令和5年内に施行され、勧告を受けた管理不全な空家は、固定資産税の住宅用地特例を解除する措置が始まります。これまで、空家問題で対策を阻んでいたとされるのは、建造物を解体して更地にするよりも、少しでも残していれば住宅用地としてみなされ、固定資産税が6分の1等に減免されることでした。その住宅用地特例が、勧告を受けた場合は外されることになります。
また、世田谷区空家等対策計画も、令和6年度から第2次計画としての運用を目指しており、特定空家等への対応に加えて、空家の発生を抑制していくために、空家となる前の早い段階から空家等対策に取組みます。
空家等の数は平成28・29年度の調査で966棟、令和3年度の調査で883棟とお話ししましたが、空家への対応は、解体や建替えが相当程度行われている一方、新たな空家も発生しているというイタチごっこのような状況でもあります。そうしたことから、居住可能、利用可能な空き家を活用することも空家抑制になると考えています。
空き家の活用に関して、2つの事業を始めています。
1つ目は、相談窓口として開設した「空き家等地域貢献活用支援事業」です。この相談窓口では、地域に活用したい空き家等のオーナーと、地域のために活動したいNPOや地域活動団体などとのマッチングなどを行い、空き家等の公益的活用を促進しています。この仕組みを活用して区内にファミリーホームが開設されたこともありました。
2つ目は、「一般財団法人世田谷トラストまちづくり」が2004年から行っている「地域共生のいえづくり支援制度」です。この制度は、建物のオーナー自身が、自宅の一部を交流の場として地域に開いて行うまちづくり活動を支援するものです。
これまでの活用例としては、乳幼児親子が地域で交流するスペース「おでかけひろば」や、様々な年代の方が集う「コミュニティカフェ」など地域コミュニティにつながる公益的な活動の場として活用されています。1戸建住宅等の使われていない部屋の活用も含めて、累計50件が活用されています。
このような取り組みを、空き家をお持ちで困っている方はもちろん、まだ直面していない方にも知っていただくために、12月17日(日曜日)に「せたがや空き家大相談会」を開催します。「空家等対策の推進に関する特別措置法等」の改正に関する国土交通省からの説明や、実家じまいのご経験のあるタレントの松本明子さんによるトークショー、空き家の利活用により活動している地域貢献団体の取組みについての紹介等を予定しています。区内にある身近な相談窓口となる団体や企業のパネル展示や無料相談ブースも設け、区民の方で空き家を持っていて何か活用できないかなどの相談を受け付けます。
空家の抑制につながるイベントになれば幸いです。私からの発表は以上です。
政策経営部 広報広聴課
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