世田谷区小田急線(代々木上原駅〜梅ヶ丘駅間)上部利用計画 平成27年8月 世田谷区 目次 1.計画の位置づけ  1の1 計画の位置づけ 1の2 世田谷区新実施計画 1の3 世田谷区都市整備方針 2.検討経緯と今後の予定 2の1上部利用計画(施設配置)(区案)策定後の検討経緯と今後の予定 3.公共利用する施設計画の基本方針 3の1 駅前広場 3の2 通路 3の3 緑地・小広場 3の4 立体緑地 3の5 防災施設 3の6 上部利用施設配置図 4.整備の進め方 4の1 施設整備の考え方 4の2 区民参加等 4の3 周辺街づくりとの連携 4の4 スケジュール 1.計画の位置づけ 1の1 計画の位置づけ  本計画は、小田急線(代々木上原駅〜梅ヶ丘駅間)連続立体交差事業等に伴い生じる線路跡地利用(以下、「上部利用」という)について、公共施設部分を整備していくための基本的な計画です。今後、世田谷区上部利用計画に基づき区間ごとに施設整備計画を策定し、整備を進めていきます。 1の2 世田谷区新実施計画平成26年3月策定  世田谷区新実施計画は、基本構想、基本計画の実現に向け、具体的な考え方や事業について明らかにしたものです。本計画で上部利用等は、以下のように位置づけられています。 新実施計画事業総括 基本計画 中分野 都市基盤の整備・更新 事業項目と考え方 「連続立体交差事業等による安全安心の拠点づくり」【事業番号 2103】 小田急線連続立体交差事業等を契機に、小田急線の地下化に伴い生じる線路跡地等の一部について、公共施設としての活用を図り、区民参加による総合的・計画的な市街地の整備を促進し、防災・減災・みどりの機能が充実した、魅力ある街づくりを目指す。 新実施計画事業(世田谷区新実施計画推進状況:平成 27年 3月) 事業番号 2103 事業名 連続立体交差事業等による安全安心の拠点づくり 所管部 拠点まちづくり担当部 北沢総合支所 みどりとみず政策担当部 土木事業担当部 関連重点政策 なし 事業区分 推進 事業内容 小田急線上部利用計画区域内において、駅前広場や緑地・小広場、通路等の公共施設を一体的に整備することで、区民参加による「防災、みどりの基軸づくり」をコンセプトとして、防災・減災の機能を備え地域のみどりの基軸となる人間優先の空間づくりを図る。 現況(平成 25年度末) 1)小田急電鉄(代々木上原駅〜梅ヶ丘駅間)上部利用計画(施設配置)(区案)の決定 計画目標(平成 29年度末) 1)上部利用計画等施設整備面積計約 2,660u(全体面積割合 22.1%) 1の3 世田谷区都市整備方針  世田谷区都市整備方針は、長期的視点に立った都市づくり・街づくりの総合的な基本方針です。  本方針で上部利用等は、以下のように位置づけられています。 第一部「都市整備の基本方針」平成26年3月改定  下北沢駅周辺地区(広域生活・文化拠点)  下北沢駅周辺地区は、新宿・渋谷両副都心に近接し、歩行者主体のにぎわいのあるまちであることを活かし、小田急線の連続立体交差事業にあわせた街づくりにより、若者をはじめ多くの人が徒歩で回遊でき、個々の魅力的な商店街や劇場などの商業・文化などの機能が充実した、個性的な文化をもつ活気にあふれた拠点とします。  小田急線の連続立体交差事業にあわせ、交通結節点機能を強化するとともに、小田急線の上部利用や井の頭線の盛土部分の活用など防災・みどり機能の充実を図ります。  良好な街なみと建築物の不燃化を適切に誘導するとともに、商業・文化等の地域資源を活かした拠点とするため、歩行者が主体で活気あるまちとして、安全・快適な回遊性を高め、下北沢の魅力を発展させます。 都市づくりの骨格プラン図を示しています。 第二部「地域整備方針」平成27年3月改定 北沢地域のアクションエリアの方針 【代々木上原駅〜梅ヶ丘駅間の小田急線上部】  小田急線の連続立体交差事業に伴い、鉄道の地下化で生じる線路跡地の一部を利用し、防災性の向上やみどりの創出を図るため、駅前広場、通路、緑地・小広場、防災施設などを整備し、周辺と調和した連続性のある街づくりを進めます。 【下北沢駅周辺地区】  広域生活・文化拠点として、商業・文化などの地域資源を活かすとともに、歩行者が安全で快適に回遊できるまちとして下北沢の魅力を発展させます。  良好な街なみと建築物の不燃化を適切に誘導するため、地区計画および地区街づくり計画に基づき街づくりを進めます。  小田急線の連続立体交差事業にあわせ、交通結節機能、道路ネットワーク機能、防災機能、環境空間機能を強化するため都市計画道路の補助54号線や世区街10号線(駅前交通広場)を整備します。また、鉄道事業者等と連携して自転車等駐車場などを整備します。 2.検討経緯と今後の予定 2の1 上部利用計画(施設配置)(区案)策定後の検討経緯と今後の予定 平成25年度 上部利用計画(施設配置)(区案) 小田急線上部利用の施設配置(ゾーニング構想) 【世田谷区・小田急電鉄による共同記者会見】 平成26年度 通路、緑地・小広場、立体緑地等の詳細検討 上部利用計画(素案) 連続立体交差事業協議会等 立体緑地オープンハウス等による区民意見募集 区民参加による上部利用デザインコンセプト作成 平成27年度 上部利用計画(案) 上部利用計画決定 連続立体交差事業協議会等 今後 各区間において区施設整備計画策定 施設整備着手 この間で東京都・渋谷区・鉄道事業者など関係機関との協議(上部利用計画協議)を行っています。 3.公共利用する施設計画の基本方針 3の1 駅前広場  街の玄関となる駅前広場には、交通結節機能のほか、防災広場や区民の交流広場などの生活・文化拠点に相応しい機能が求められています。これらを踏まえ、上部利用や駅舎など鉄道事業施設との関係を考慮した連続性に配慮するとともに、周辺隣接地との関係なども十分考慮して整備します。  また、地域活性化のためのイベント等の場として、さらに、災害時に備えての防火水槽等を備える広場を整備します。 下北沢駅駅前広場(世区街10号線)面積約 7200u(内交通広場約 5400u) 東北沢駅駅前広場面積約 1700u 世田谷代田駅駅前広場面積約 1700u 交通広場のイメージ図、災害時の防災広場のイメージ図、区民の交流広場のイメージ図を示しています。 3の2 通路  歩行者・自転車等の区民の日常的な利用に供するとともに、災害時には緊急車両の通行や防災活動を可能とする連続した通路(幅4mを基本とする)を整備します。  また整備にあたっては、道路との交差部は安全に横断出来る対策をするとともに、可能な限り緑地を併設するなど、通行の安全や住環境の保全に配慮していきます。  歩行者・自転車が通行する通路のイメージ写真及びイメージ図、災害時の緊急車両のイメージ写真を示しています。 3の3 緑地・小広場  通路に加え、緑地・小広場を整備し、シームレスな豊かな緑の癒し空間の拠点とします。また、計画の段階から区民参加で進めることによって、行政だけでなく区民、NPOとのパートナーシップによる緑の維持管理等の取り組みを目指していきます。  潤いを与える施設のイメージ図を示しています。 3の4 立体緑地  下北沢駅西側において、南北の高低差や自転車等駐車場の上部空間を活かしデッキを整備することで、回遊性や歩行者の安全性の向上を図り、新たなまちの魅力を創出します。整備に当たっては、A区間からB区間の緑地・小広場までデッキを設置する形状とし、今後、区民の皆さまと意見を交わしながら、A〜C区間全体で地上面の通路や緑地等と一体となったより魅力的な立体緑地となるよう、デザインや使い方を考えていきます。 立体緑地イメージ図を示しています。 3の5 防災施設 (1)通路  通路は、連続した公共空間を確保し、広域避難場所(羽根木公園一帯及び駒場東大・駒場野公園一帯)等への避難経路機能も持たせて整備をします。 (2)防災倉庫  各駅周辺の3箇所の緑地・小広場には、世田谷区地域防災計画に位置付ける広域用防災倉庫を整備し、防災力の向上を図ります。備蓄物品については、他の広域用防災倉庫の品目を基本とし、特に下北沢駅の近隣に設置する倉庫は、帰宅困難者等のトイレ対策を考慮し、簡易トイレや排便収納袋を重点的に備蓄します。 (3)防火水槽  各駅前広場には、周辺の木造住宅密集地域を含む住宅街や商業地域で発生した火災の延焼拡大を阻止し、広域避難場所に向かう多くの避難者を守るため消防機関と調整し、防火水槽を設置します。  さらに、下北沢駅と世田谷代田駅間にも、地域の消防水利不足を解消するため東西2箇所に分けて防火水槽を設置します。 (4)防災用品収納ベンチ  駅前広場や緑地・小広場等には、区及び近隣町会・自治会の救出救助に関する資器材等の保管場所として、防災用品収納ベンチを適宜設置します。また、これらの設置・運用にあたっては、区民とのルールづくり等に取り組みます。 (5)その他  緑地・小広場には、防災トイレ(マンホールトイレ)の設置等を検討します。また、マンホールトイレの設置が困難な場合は、災害発生時のトイレ対策として、広域用防災倉庫に排便収納袋等を重点的に備蓄していきます。  また、他の施設のサイン整備に併せて、大規模災害時に、利用者が広域避難場所等へ円滑に避難できるようサインの設置を検討します。  防災施設配置イメージ図を示しています。 3の6 上部利用施設配置図  駅前広場(世田谷区整備)や通路(世田谷区整備)などの配置図を示しています。 4.整備の進め方 4の1 施設整備の考え方  駅前広場や通路、緑地・小広場等、区の施設の整備にあたっては、地域の方々や関連事業者等との連携、協力の下、関係法令等に準拠しながら、鉄道関連施設や周辺隣接地、道路等との関係性や連続性などに十分配慮し、効率的、効果的に進めていきます。 4の2 区民参加等  区ではこれまで、上部利用に関する意見募集や街歩き、オープンハウスなど多様な方法で区民参加を進めてきました。平成26年度には、区民参加の下、「上部利用デザインコンセプト」を作成しました。区民に愛され、いつまでも大切にご利用頂ける施設となるよう、今後も様々な場面で区民参加に取り組み、整備していきます。また、エリアマネジメント等の取り組みを目指します。 (1)北沢デザイン会議  小田急線沿線の街の未来を考え、イメージを共有するために、広域的な街づくりの情報発信や情報交換の場としていきます。  北沢デザイン会議の写真を掲載しています。 (2)各施設の整備に関するワークショップ  緑地・小広場など、区の整備する施設の整備や管理について、区民参加で意見を出し合い、親しまれる公共空間を創出していきます。 4の3 周辺街づくりとの連携  「上部利用デザインコンセプト」を踏まえ、専門家であるデザインアドバイザーの助言を貰いながら、上部利用施設(区施設)全体のデザインに関する指針を策定します。 この指針を関係者間のデザイン調整に役立て、東北沢、下北沢、世田谷代田の 3駅周辺の街づくりと連携し、調和のとれた都市空間の創出を目指します。  整備の進め方フロー図を示しています。 4の4 スケジュール 平成26年度から平成33年度までの世田谷区上部利用計画(区施設)のスケジュールを図示しています。 ご質問等は、北沢総合支所街づくり課、電話番号0354788031までお問合せください。