第2章北沢地域 2-T.北沢地域の概況と街づくりの主な課題 北沢地域の位置と町名 だいた、うめがおか、ごうとくじ、だいざわ、羽根木、大原、北沢、松原、赤堤、さくらじょうすい、池尻四丁目33〜39 2-T-T.概況 (1)地域のなりたち ○本地域は区の北東部に位置して、南北に環状7号線が通っており、小田急線、京王線、井の頭線、世田谷線の鉄道の結節点となっている下北沢、明大前、下高井戸、ごうとくじなどの駅周辺で商業地が形成されています。 ○明治期の北沢地域は純農村の姿をとどめていましたが、大正から昭和にかけての私鉄の開通や関東大震災に伴う罹災者の移住などにより人口が急増し、郊外住宅地へと大きく姿を変えてきました。 ○昭和のはじめの都市基盤整備は、区画整理や耕地整理に加え、旧松沢村全村に及ぶような面的な建築線指定により行われました。その結果、現在でも良好な住宅地として残されているところが多くあります。 ○戦後の人口急増の中、環状7号線沿いの地区などで木造賃貸住宅が増加し、災害に弱い木造住宅密集地域が形成されました。 (2)地域の姿 ○小田急線の連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、下北沢駅周辺などで街づくりが進められており、小田急線の地下化や駅前広場の整備などにより、駅周辺の環境は大きく変わろうとしています。 ○京王線の連続立体交差事業にあわせ、明大前駅をはじめ各駅周辺の街づくりが進められています。 ○さくらじょうすい・赤堤地区などにわずかに農地が残されていますが、本地域のほとんどは市街化されています。 ○都立梅ヶ丘病院跡地では、全区的な保健・医療・福祉の拠点施設が整備される予定です。 ○下北沢駅周辺は、飲食店や商店のみならず、劇場やライブハウス、古着や骨董など特色のある店も多く、年間を通して音楽祭や演劇祭、伝統的な祭りなど多くのイベントが開催され、若者をはじめ多くの人が訪れるまちとなっています。 (3)地域の現況等のデータ ○人口密度は世田谷地域に次いで高く、平均世帯人員は最も少ない状況です。 ○住居系の土地利用面積割合は5地域で最も高く、平均宅地面積は最も小さい状況です。 ○耐火率(用語解説あり)や不燃領域率(用語解説あり)は5地域で最も低い状況です。また、みどり率(用語解説あり)は世田谷地域に次いで低く、減少しており、地域住民一人当たりの公園面積は最も小さい状況です。 【位置・面積・地勢】 ・本区の北東部に位置し、東側は渋谷区、目黒区、北側は杉並区に隣接 ・面積は 862.5ha(4位/5地域) ・本地域の北部は、区内でも標高が比較的高く、北沢川を谷として起伏のある地形を形成 【人口・世帯】 ・人口は144,287人(4位/5地域) ・世帯は82,431世帯(3位/5地域) ・平均世帯人員は1.75人/世帯(5位/5地域) ・人口密度は167人/ha(2位/5地域) ・人口は今後 20年間で、12,300人減少(0.91倍)の見込み ・高齢者人口の割合は平成 25年で 20.1%、20年後は23.9%の見込み(区平均は23.0%) 【土地利用】 ・住居系の割合は 58.0%(区平均は 49.4%)で、5地域で最も高い ・商業・工業系の割合は 6.6%(区平均は 7.5%) ・公園系の割合は 2.3%(区平均は 5.6%)で、5地域で最も低い。平成3年から平成 23年で 0.3ポイント低下 【建築物・宅地・防災・みどり・道路】 ・棟数密度は 52.9棟/ha(区平均は 44.3棟/ha)で、5地域で最も高い ・3階建て専用住宅 (用語解説あり)棟数の変化(平成3年から平成 23年)は、548棟から 4,339棟に増加 ・平均宅地面積は 198.9u(区平均は 241.8u)で、5地域で最も小さい ・専用住宅の平均宅地面積は 151.4u(区平均は 158.0u)。100u未満の敷地数は、平成 3年から平成23年で47%増加 ・耐火率は 53.2%(区平均は 60.2%)で、5地域で最も低い ・不燃領域率は 55.4%(区平均は 65.0%)で、5地域で最も低い ・木防 (用語解説あり)建ぺい率は 22.4%で、5地域で最も高い ・旧耐震木造 (用語解説あり)棟数密度は 12.3棟/ha(区平均は 9.2棟/ha)で、5地域で最も高い ・みどり率は 17.1%(区平均は 24.6%)で、平成 18年から平成23年で1.6ポイント低下 ・樹林地(300u以上)は約 45haで、5地域で最も少ない ・地域住民一人当たりの公園面積は 1.12u/人(区平均は2.96u/人)で、5地域で最も小さい ・生産緑地 (用語解説あり)面積の変化(平成 3年から平成 23年)は、5.5haから4.6ha(16%減少) ・道路率は 14.4%(区平均は 14.5%)。平成 18年から平成 23年で 0.4ポイント増加 ・細街路率は45.0%(区平均は36.2%)で、5地域で最も高い ・都市計画道路の整備率は 28.0%(区平均は 50.9%)で、5地域で最も低い ・主要生活道路(用語解説あり)の整備率は24.6%(区平均は37.7%) 【地域資源】 ・地域風景資産(用語解説あり)は、校庭で子どもたちを見守る松の木(池之上小学校内)、北沢地域に隠れている石造物群、だいたの丘の61号鉄塔、さくらじょうすい「江戸城御囲い松」の兄弟松、緑丘中学校・校庭の大ケヤキ など 11箇所 ・主な文化財は、世田谷城跡、ごうとくじ仏殿、さくらじょうすい・八幡神社旧本殿 2-T-U.街づくりの主な課題 都市整備の基本方針における世田谷区をとりまく状況や、前項の概況などを踏まえ、本地域の街づくりの主な課題を、5つのテーマに沿って示します。 (1)テーマT「安全で災害に強いまちをつくる」に関すること ○道路や公園などの都市基盤施設が十分に整備されないまま、高密度に市街化が進んでいる地区があります。 ○老朽木造住宅が密集している木造住宅密集地域や、延焼遮断帯(用語解説あり)となる都市計画道路が未整備な地区は、避難路の確保や延焼の抑制など防災上の課題があります。 ○局所的集中豪雨の増加に伴い、さらなる対応が求められています。 (2)テーマU「みどり豊かで住みやすいまちをつくる」に関すること ○みどり率(用語解説あり)は世田谷地域に次いで低い状況にあり、減少の傾向にあります。 ○一人当たりの公園面積は、5地域の中で最も小さく、新たな公園の確保が望まれています。 ○平均宅地面積は5地域の中で最も小さく、宅地の細分化などが進んでいます。また、低層住宅と中高層住宅の混在や住宅と商業施設の混在など、土地利用の課題があります。 ○まとまったみどりが比較的少なく、農地や樹林地などのみどりの保全が課題となっています。 (3)テーマV「活動・交流の拠点をもつまちをつくる」に関すること ○広域生活・文化拠点や地域生活拠点は、商店街などの商業地のにぎわいや活気を誘導するとともに、まちの安全性の確保が求められています。 ○身近な最寄り駅周辺は、区民の活動・交流の場としての活性化が望まれています。 ○小田急線、京王線の連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、拠点となる駅周辺について、にぎわいのある良好な市街地の形成を図ることが求められています。 ○みどりの拠点である公園・緑地等は、誰もが自然環境を享受できることが望まれています。 (4)テーマW「地域資源の魅力を高めるまちをつくる」に関すること ○羽根木公園や北沢川緑道、さくらじょうすいの農地などの身近な自然資源やごうとくじなどの文化財をはじめとする歴史的資産、瀧坂道などの古道、駅周辺のにぎわいのある界わいなどを、地域資源として活用することが望まれています。 ○今後、大規模団地の建て替えや農地の宅地化など、大規模な土地利用転換が見込まれます。 (5)テーマX「誰もが快適に移動できるまちをつくる」に関すること ○踏切での交通渋滞や踏切事故、鉄道による地域分断などの原因となる「開かずの踏切」の解消に向け、連続立体交差事業(用語解説あり)が進められており、それに伴い駅周辺において快適に移動できる街づくりが求められています。 ○都市計画道路の整備が遅れており、拠点間の交通ネットワーク形成が課題となっています。また、生活道路に通過交通が流入していることや狭あい道路(用語解説あり)が多いことから、歩行者や自転車利用者の安全性の向上が求められています。 ○高齢者人口や年少人口の増加など人口構造の変化に対応するため、さらにユニバーサルデザイン(用語解説あり)の観点による街づくりが求められています。 2-U.北沢地域の目標、骨格と土地利用の方針 2-U-T.目標〜地域のまちの姿〜 基本計画(地域計画)における、本地域のまちの将来像を以下に示します。 ともに支えあい、絆をはぐくみ、健康を招くまち モダンと伝統が織りなす、若さとにぎわいのあるまち 災害に強く、安全で住みよいまち これらのまちの将来像を踏まえ、都市整備の基本方針の都市づくりビジョン、前項の街づくりの主な課題などに基づきつつ、概ね20年後を見据えた本地域のまちの姿を、以下のとおりテーマ別に沿って設定します。 地域のまちの姿 ○建築物の不燃化・耐震化を進めるとともに道路や公園などが整備され、防災性が向上した、安全で災害に強いまち ○みどりの拠点を中心として、みどりを保全、創出し、地区の特性に応じて適正な土地利用がなされた、みどり豊かで住みやすいまち ○駅周辺の商業地が保有する文化、街なみなどの個性を活かし、にぎわいや活気のある、活動・交流の拠点をもつまち ○屋敷林や農地などの自然資源が保全され、暮らしの風景やにぎわいのある風景が活用された、地域資源の魅力を高めるまち ○連続立体交差事業(用語解説あり)や都市計画道路の整備にあわせて地区の街づくりが進み、交通環境の質が高く、誰もが安全で快適に移動できるまち 2-U-U.地域の骨格と土地利用の方針 (1)地域の骨格プラン 都市整備の基本方針における都市づくりの骨格プランと、地域のまちの姿に基づき、本地域の基本的骨組みを示します。 ○下北沢駅周辺地区は、若者をはじめ多くの人が回遊でき、個々の魅力的な商店街や劇場などの商業・文化などの機能が充実し、本区を越えた広域的な交流の場として「広域生活・文化拠点」と位置づけています。 ○明大前駅周辺地区や下高井戸駅周辺地区などは、地域の「核」となる区民の身近な交流の場として「地域生活拠点」と位置づけています。 ○区民の日常生活に必要な商業・業務機能が集積した、地区の交流の場として、新たに「地区生活拠点」を位置づけます。 ○地域生活拠点である梅ヶ丘駅周辺地区を、全区的な保健医療福祉の拠点となる梅ヶ丘病院跡地整備にあわせ、「保健福祉の街づくり重点ゾーン」と位置づけています。 ○地域の中央を南北に貫き、等々力から区役所周辺を経由し、明大前に至る補助154号線とその沿道などを、「主要生活交通軸」と位置づけています。 拠点や軸等 生活拠点 広域生活・文化拠点 位置づける場所 下北沢駅周辺地区 拠点や軸等 生活拠点 地域生活拠点    位置づける場所 明大前駅、下高井戸駅、梅ヶ丘駅の各周辺地区 拠点や軸等 生活拠点 地区生活拠点    位置づける場所 だいた橋駅、さくらじょうすい駅、東北沢駅、世田谷だいた駅、ごうとくじ駅・山下駅、池ノ上駅、しんだいた駅、東松原駅、松原駅の各周辺地区 拠点や軸等 新たな機能を持つ拠点等 災害対策拠点         位置づける場所 北沢総合支所周辺地区 拠点や軸等 新たな機能を持つ拠点等 保健福祉の街づくり重点ゾーン 位置づける場所 梅ヶ丘駅周辺地区 拠点や軸等 都市軸 都市活力と交通の軸 位置づける場所 環状7号線、甲州街道(国道 20号)とその沿道 拠点や軸等 都市軸 主要生活交通軸   位置づける場所 茶沢通り(補助 210号線)、補助 154号線とその沿道 拠点や軸等 みどりの拠点および水と緑の風景軸(用語解説あり) みどりの拠点 位置づける場所 和田堀給水所、三宿の森緑地一帯、羽根木公園、区役所周辺、さくらじょうすい周辺 (2)地域の土地利用の方針 7つに区分した土地利用ごとの方針を示すとともに、方針図でその位置を概略で示します。なお、大規模な土地利用転換の際は、都市基盤整備を進めるとともに、地区の特性や周辺住宅地と調和した土地利用を誘導します。 @駅周辺商業地区 ○下北沢駅周辺地区は、本区を越えた広域的な交流の場として、商業・文化などの機能が充実するよう土地利用を誘導します。 ○明大前駅、下高井戸駅、梅ヶ丘駅の各周辺地区は、区民の日常生活に関わる商業・行政サービス等が集積し、区民の身近な交流の場となるよう土地利用を誘導します。 ○だいた橋駅、さくらじょうすい駅、東北沢駅、世田谷だいた駅、ごうとくじ駅・山下駅、池ノ上駅、しんだいた駅、東松原駅の各周辺地区は、区民の日常生活における商業・業務機能が集積するよう土地利用を誘導します。 A近隣商店街地区 ○住宅地等の中にある商店街は、それぞれの特徴を活かし、周囲の住宅地との調和を図りつつ、身近な商業地としての土地利用を誘導します。 B幹線沿道地区 ○環状7号線と甲州街道(国道20号)の沿道は、主として事務所・店舗・サービス施設等が立地する地区として、後背の住宅地環境と調和を図りつつ、都市の活力を生み出す場として育むとともに、基幹的な避難路、延焼遮断帯(用語解説あり)を形成する防災性の高い土地利用を誘導します。 C地区幹線沿道地区 ○都市計画道路の補助52号線などの沿道は、後背の住環境と調和を図りつつ、住宅と店舗などが共存するとともに、延焼遮断帯を形成する防災性の高い土地利用を誘導します。 D低層住宅地区 ○戸建て住宅や低層の集合住宅からなる良好な住環境を維持します。 E住宅地区 ○地域特性に応じた住環境の保全や改善、住宅相互の調和を図りつつ、生活利便施設などが適切に配置された土地利用を誘導します。 F準工業地区 ○公共公益施設の機能を維持するとともに、周辺の住環境との調和を図ります。 2-V.北沢地域のテーマ別の方針 街づくりの主な課題を解決するとともに、地域のまちの姿を実現するための、5つのテーマからなるテーマ別の方針を示します。 地域の特性や課題などを踏まえ、主要なテーマを中心に記載します。方針図は、テーマT〜Xの重ね合わせで示します。 (1)テーマT 安全で災害に強いまちをつくる 【防災生活圏(用語解説あり)内の安全性を向上させる】 ○身近な防災生活圏内では、地区の安全性を高めるため、建築物の不燃化や危険なブロック塀の改善、狭あい道路(用語解説あり)の拡幅整備などを行います。 ○震災時に消防活動が困難とされる区域(用語解説あり)では、消防活動や避難を円滑にするための地先道路(用語解説あり)の整備を進め、行き止まり道路や狭あい道路を解消するとともに、消防水利(用語解説あり)を確保し防災性の向上に配慮した公園などを配置します。 ○木造住宅密集地域では、防災街づくりの事業などを活用して、建築物の不燃化・耐震化の取り組みを強化します。 【延焼遮断帯(用語解説あり)を整備する】 ○延焼遮断帯となる都市計画道路の整備にあわせ、沿道の不燃化を進めます。 【避難時の安全性を向上させる】 ○広域避難場所(用語解説あり)等への避難路の安全性を高めるとともに、周辺の建築物の不燃化を進めます。 【水害を抑制する】 ○浸水被害を軽減するため、雨水流出抑制施設(用語解説あり)の設置を誘導します。 (2)テーマU みどり豊かで住みやすいまちをつくる 【みどりを守り育てる】 ○みどりのネットワークを形成するため、みどりの拠点を核として、農地や樹林地、公園・緑地のみどりを保全し、道路や住宅地などにおいて連続した緑化を進めます。 ○誰もが身近に利用できる場として、公園や緑地を適正に配置し、面積を確保します。 【住みやすい住宅地を形成する】 ○みどりのある住みやすい住宅地を形成するため、地区の特性に応じた街づくりに関するルールづくりを進めます。 ○農地が点在する住宅地は、農地保全に努めるとともに、農地を宅地化する場合は、良好な住環境の形成に必要な道路などの整備を一体的に進めます。 (3)テーマV 活動・交流の拠点をもつまちをつくる 【にぎわいや活気のある拠点の魅力を高める】 ○広域生活・文化拠点や地域生活拠点は、拠点ごとの特性に応じて、様々な機能を充実させるとともに、歴史・文化や街なみ・地形等の活用などにより地域の魅力を高めます。 ○地区生活拠点は、区民の日常生活に必要な環境を確保するとともに、地域コミュニティの場としての機能を誘導します。 ○連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、駅周辺のにぎわいや防災、みどり、景観などに配慮した活動・交流の拠点づくりを行います。 【誰もが利用できるみどりの拠点とする】 ○みどりの拠点である公園・緑地等は、誰もが快適に利用できるようにオープンスペースやみどり、各種施設をバランス良く配置するとともに、アクセス環境を充実させます。 (4)テーマW 地域資源の魅力を高めるまちをつくる 【自然資源の魅力を高める】 ○良好な風景を形成する屋敷林や社寺林、都市の貴重な資源である農地などの、日常生活に身近な自然資源の魅力を区民と共有し、大切にします。 【風景の魅力を高める】 ○文化財をはじめとする歴史的資産や古道などを活かし、地域に残る歴史を大切にした暮らしの風景づくりを進めます。 ○駅周辺のにぎわいのある界わいなどをまちの風景として、地域の人にも訪れる人にも魅力的な場所となるよう活かし、まちの顔となる風景づくりを進めます。 【地域資源を有効活用する】 ○大規模な土地利用転換の際は、まとまったみどりの創出や公開空地(用語解説あり)の整備などを進め、新たな地域資源をつくります。 (5)テーマX 誰もが快適に移動できるまちをつくる 【公共交通の安全性・利便性や快適性を高める】 ○連続立体交差事業にあわせ駅前広場を整備するとともに、歩行者が安全で快適に回遊できるまちとして、駅周辺地区を一体とした沿線街づくりを進めます。 ○各拠点をつなぐ都市計画道路の整備にあわせ、公共交通ネットワークを充実させるとともに、公共交通や徒歩・自転車の利用の促進を図ります。 【歩行者や自転車利用者の安全性と快適性を高める】 ○都市計画道路等の整備を進め、地先道路 (用語解説あり)への通過交通を抑制し、歩行者と自転車利用者の安全性の向上を図ります。また、歩道の整備や事業者の協力による歩道状空地などにより安全な歩行空間を確保します。 ○歩行者の安全性を高め、防災性の向上を図るために、街づくりのなかで地先道路の適切な配置を検討し、整備を進めます。 【交通環境の質を高める】 ○道路や緑道の整備では、環境や防災、景観などに配慮するとともに、ユニバーサルデザイン(用語解説あり)による整備を進めます。 2-W.北沢地域のアクションエリアの方針 地域のまちの姿を実現するため、今後、概ね10年間にわたり街づくりを優先的に進める地区と、その方針を示します。(地区は50音順) (1)地区計画(用語解説あり)などを策定し、街づくりを進めていく地区 (一部、地区計画や地区街づくり計画 (用語解説あり)などが策定されている地区を含む) 【2-@梅ヶ丘駅〜ごうとくじ駅・山下駅周辺地区】 ○保健福祉の街づくり重点ゾーンとして、梅ヶ丘病院跡地の拠点整備にあわせ、ユニバーサルデザイン(用語解説あり)による街づくりを進めます。 ○公共施設や大規模な建築物の建設および道路などの改修の際には、意匠やユニバーサルデザインなどについて、これまでの「やさしいまちづくり」を継承し、一体感を持つ街づくりを進めます。 【2-Aだいた地区】 ○良好な住環境の保全と地区内の防災性の向上のため、地区街づくり計画の策定等を検討します。 ○学校統合による土地利用転換を契機として、周辺の街づくりを検討します。 【2-Bだいた橋駅周辺地区】 ○地区生活拠点として、身近な商店街のにぎわいを維持、発展するとともに、良好な住環境の保全のため、地区街づくり計画の策定等を検討します。 ○京王線の連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、交通結節機能を強化するために駅前広場などを設けます。また、鉄道事業者等と連携して自転車等駐車場などを整備します。 ○地区内にある木造住宅密集地域の防災性を向上させるため、防災街づくりの事業導入などを検討します。 ○都市計画道路の放射23号線の整備にあわせ、沿道の建築物の不燃化や土地利用、周辺の住環境との調和など、沿道の街づくりを検討します。 ○和田堀給水所の整備にあわせ、みどりや防災の拠点の形成を図ります。 【2-C補助52号線沿道地区】 ○都市計画道路の補助52号線の整備にあわせ、沿道の不燃化や土地利用、周辺の住環境との調和など、沿道の街づくりを検討します。 【2-D明大前駅周辺地区】 ○地域生活拠点として、商業・行政サービス機能等の集積を図り、活気とにぎわいを創出するとともに、良好な住環境を保全するため、地区街づくり計画 (用語解説あり)の策定等を検討します。 ○駅周辺の活気ある良好な商業環境の育成と地区の防災性向上のため、地区計画(用語解説あり)の策定や事業の導入などを検討します。 ○京王線の連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、区南北の交通ネットワークを充実させるため、都市計画道路の補助154号線や駅前広場を整備します。また、鉄道事業者等と連携して自転車等駐車場などを整備します。 ○都市計画道路の補助154号線や放射23号線の整備にあわせ、沿道の建築物の不燃化や土地利用、周辺の住環境との調和など、沿道の街づくりを検討します。 【2-E代々木上原駅〜梅ヶ丘駅間の小田急線上部】 ○小田急線の連続立体交差事業に伴い、鉄道の地下化で生じる線路跡地の一部を利用し、防災性の向上やみどりの創出を図るため、駅前広場、通路、緑地・小広場、防災施設などを整備し、周辺と調和した連続性のある街づくりを進めます。 (2)既に策定された地区計画などに基づき、街づくりを進めていく地区 【2-F環七沿道地区】 ○後背地の住環境保全と延焼遮断帯の形成のため、沿道地区計画(用語解説あり)に基づき街づくりを進めます。 【2-G北沢三・四丁目地区】 ○防災街づくりを推進するため、地区計画および地区街づくり計画に基づき街づくりを進めます。 ○木造住宅密集地域である地区内の防災性向上のため、防災街づくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、茶沢通りの道路拡幅、公園、防災機能を持つ駅前広場の整備を進めます。 【2-H北沢五丁目・大原一丁目地区】 ○防災街づくりを推進するため、防災街区整備地区計画(用語解説あり)および地区街づくり計画に基づき街づくりを進めます。 ○木造住宅密集地域である地区内の防災性向上のため、防災街づくりの事業や規制誘導 の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、道路や公園の整備を進めます。 【2-I経堂駅東地区】 ○良好な住環境の保全のため、地区計画(用語解説あり)および地区街づくり計画(用語解説あり)に基づき街づくりを進めます。 【2-J区役所周辺地区】 ○広域避難場所 (用語解説あり)周辺を災害に強い市街地として誘導するとともに、みどり豊かで暮らしやすい住環境を保全、創出するため、防災街区整備地区計画(用語解説あり)および地区街づくり計画に基づき街づくりを進めます。 ○木造住宅密集地域である地区内の防災性向上のため、防災街づくりの事業や規制誘導 の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、道路や公園の整備を進めます。 【2-Kごうとくじ駅周辺地区】 ○地区生活拠点として、身近な商店街のにぎわいを維持、発展するとともに、良好な住環境を保全するため、地区街づくり計画に基づき街づくりを進めます。 ○木造住宅密集地域である地区内の防災性向上のため、防災街づくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、道路や公園の整備を進めます。 【2-Lさくらじょうすい駅周辺地区】 ○地区生活拠点として、身近な商店街のにぎわいを維持、発展するとともに、良好な住環境を保全するため、地区街づくり計画に基づき街づくりを進めます。 ○京王線の連続立体交差事業 (用語解説あり)にあわせ、交通結節機能を強化するために駅前広場などを設けます。また、鉄道事業者等と連携して自転車等駐車場などを整備します。 【2-Mさくらじょうすい三・四丁目中部地区】 ○さくらじょうすい団地の建て替えを契機として、良好な住環境を保全、創出するとともに、みどりの拠点としてみどり豊かで落ち着きのある環境を維持するため、地区計画に基づき街づくりを進めます。 ○教育文化施設の集積を活かし、地域の防災性能の向上に資する広域避難場所および防災生活圏(用語解説あり)の形成を図ります。 【2-N下北沢駅周辺地区】 ○広域生活・文化拠点として、商業・文化などの地域資源を活かすとともに、歩行者が安全で快適に回遊できるまちとして下北沢の魅力を発展させます。 ○良好な街なみと建築物の不燃化を適切に誘導するため、地区計画 (用語解説あり)および地区街づくり計画(用語解説あり)に基づき街づくりを進めます。 ○小田急線の連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、交通結節機能、道路ネットワーク機能、防災機能、環境空間機能(用語解説あり)を強化するため都市計画道路の補助54号線や世区街10号線(駅前交通広場)を整備します。また、鉄道事業者等と連携して自転車等駐車場などを整備します。 【2-O下高井戸駅周辺地区】 ○地域生活拠点として、商業・行政サービス機能等の集積を図り、活気とにぎわいを創出するとともに、良好な住環境の保全のため、地区街づくり計画に基づき街づくりを進めます。 ○駅周辺の活気ある良好な商業環境の育成と地区の防災性向上のため、地区計画の策定や事業の導入などを検討します。 ○京王線の連続立体交差事業にあわせ、交通結節機能を強化するために駅前広場などを設けます。また、鉄道事業者等と連携して自転車等駐車場などを整備します。 【2-P西部地域 さくらじょうすい地区】 ○農地などのみどりを保全、育成し、農地と住宅地が共存する土地利用を誘導するため、地区計画に基づき街づくりを進めます。 ○地区の防災性、利便性を確保するため、道路などの基盤整備を進めます。