令和5年11月の「区長の談話室」(ゲスト:平田英明氏)

最終更新日 令和5年12月11日

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令和5年11月の区長の談話室

令和5年11月5日・12日放送
区長の談話室「世田谷区のふるさと納税/ふるさと納税制度の課題!」

※11月12日は5日の再放送です。

ふるさと納税がメディアでも話題になっています。ふるさと納税は、区民自身の故郷やお世話になった地域、被災地などを応援する仕組みです。世田谷区はこの趣旨には賛同していますが、過剰な返礼品競争により、今年度の区の財源は約100億円の流出が予想されており、これ以上の減収は区の行政サービスに影響を与える可能性があります。区民の暮らしを守るためにも、ふるさと納税について考え、世田谷のためになるようなふるさと納税を周知していきます。(ゲスト:法政大学教授 平田英明氏)

ゲスト紹介

  • パーソナリティ:保坂区⻑、今⽇もよろしくお願いします。今⽇は、「ふるさと納税制度の課題」についてお送りしていきます。では、早速ゲストをご紹介しましょう。法政⼤学教授の平⽥英明さんです。平⽥さん、よろしくお願いいたします。
  • 平田氏:よろしくお願いいたします。
  • パーソナリティ:では、まず区⻑、平⽥さんのプロフィールをご紹介いただけますか。
  • 区⻑:お迎えした平⽥先⽣は、法政⼤学経営学部で2012年より教授をされていらっしゃいます。同時に、東京財団政策研究所で主席研究員として⽇本経済の、あるいは⾦融の分析・研究をされています。特に、ふるさと納税に関して、新聞やテレビなどでも制度の問題点や課題について積極的に発⾔をされているので、ぜひお伺いしたいと思って来ていただきました。今⽇はよろしくお願いします。
  • 平田氏:よろしくお願いいたします。

ふるさと納税の仕組み、現状、課題

  • パーソナリティ:改めてではあるのですが、今⽇のテーマが「ふるさと納税の課題」ということで、ふるさと納税はご存じの⽅も多いかと思うんですが、区⻑、もう⼀度制度の仕組みをおさらいいただいてもよろしいでしょうか。
  • 区⻑:ふるさと納税は年々規模が拡⼤していまして、実は結論を⾔うと、世⽥⾕区の区⺠税から影響額が98億2千万円と、100億円に近いくらいの⾦額が、本来住⺠税として⼊ってくるべき⾦額なんですが、これがふるさと納税の影響で流出をしているということに、区の財政から⾒ればなっています。もともと、住⺠税の2割を⾃分の指定する⾃治体に寄附できるよと、 2千円を差し引いて住⺠税が控除されるという、その分、税⾦が浮くということで、そして返礼品合戦がかなりスパークしましたので、お得なお⾁とか⾼級ワインとかそういったものもどんどん送られてくると、そうすると税⾦が安くなって品物もくるんで悪いこと何もないと、いいことばっかりじゃないかと思うんですが、しかし、⾃治体の税というのは、地域の会費なんていうふうに⾔われているんですが、地域でごみを集めたり、学校を作ったり、さまざまな⾏政サービスをするために必要な経費なんですね。これに影響が⼤変⼤きくなっているという現状です。
  • パーソナリティ:そんな影響が⼤きいというところで、平⽥さんふるさと納税についてどのように考えていらっしゃいますか。
  • 平田氏:名前の通り、ふるさと、地⽅というところを創⽣するために、都市部からこのふるさと納税の原資を、この住⺠税の一部を地⽅に寄附してもらうことによって地⽅に流していくというのが本来の考え⽅です。地⽅創⽣に都市部も貢献するという考え⽅はなかなかいい考え⽅だと思うのですが、実態がちょっと極端な形で、それも⾮常に歪んだ形で結実してしまっているというのが⾮常に良くないところかなというふうに思っています。例えば世⽥⾕区の場合ですと、この5年ほどでその流出額がほぼ倍になってほぼ100億円ということです。結局、この分の⾏政サービスが世⽥⾕区で⾏えなくなる。その分のどうしても区の⾏政サービスの質が、今はとりあえず他のお⾦をなんとか工面したりということがあっても、⻑い⽬で将来を⾒たときに使えるお⾦が減るわけですので、皆さんの⽣活にジャブのように効いてくるというところが⼤きな問題かな、というふうに思っています。

世田谷区、23区で起きている問題とは

  • パーソナリティ:本当に区⻑、やっぱり返礼品の豪華さに皆さん魅了されている⽅も多いかと思うんですが、実際に区⺠として⽣活に影響も多くあるんですもんね。
  • 区⻑:そうですね。平⽥先⽣が⾔われたように、例えば世⽥⾕区でも北海道胆振東部地震があったときにふるさと納税の仕組みを利⽤して、地震の災害のときには⼤変ですよね、寄附を受けるのも事務料がありますから、これを代理する制度がありまして、それで寄附を呼びかけたりしたこともありますし、地⽅の産業が活性化していくということは都市の住⺠としては喜ばしいことでもあるんですが、これは適切なバランスということだと思うんですね。そういう意味で23区の区⻑でつくる区⻑会では、やっぱりこれだけの例えば100億円という影響は、学校をつくるとすれば2校から3校、新築の学校ができてしまう。これだけの規模になるんですね。ですから、少なくともふるさと納税は⻘天井だというところに結構問題があると思います。つまり、たくさん納税する⼈はいくらでもというか、例えば極端に⾔えば、1,000万円でもふるさと納税ができるんですが、地⽅を応援するという趣旨から⾔えば、平⽥先⽣にもご意⾒を伺いたいんですが、例えば1⼈1年で30万円とか50万円とか、そのぐらいが上限ですよというふうにやってもこれはおかしくないんじゃないかと。逆にそういう規制がされれば、お⾁もいろんな特産物もある程度は来るわけで。ドカーンとは来ませんけど、その分影響はかなり穏やかになると思うんですね。いかがでしょうか。
  • 平田氏:このふるさと納税の返礼品をもらえる額というのは、実は⾼所得の⽅ほど多くなるという特徴があります。ですので、今の区⻑のお話というのは、すごくお⾦持ちの⽅というのにも相当⻑く今の仕組みだともらえるので、それをちょっとある程度抑えようというご意⾒だと思います。本来の趣旨からすれば、この返礼品はあくまでおまけですので、そのおまけのところを少し抑えるというのは⾮常に理にかなった考え⽅だと私は思います。
  • パーソナリティ:実際、区⻑も提⾔として、国への制度の改善の要望などもされてきたんですよね。
  • 区⻑:そうですね。特に、このふるさと納税、最初なかなか低調でそんなに爆発してなかったんですが、もっとブレイクさせようということで、2015年にそれまでの住⺠税の1割から2割へ上げました。また、ワンストップ特例などすごく簡単にできる制度も導⼊して、その結果、⾃治体版通販競争といわれるような、いわば海産物とか⾼級な果物であるとか、さまざまな⼯業製品もそうですよね。 というところでの争奪戦が起こって現在に⾄っているんですね。これをまず最初の10%に戻してもいいんじゃないかという提⾔、それから先ほど⾔った上限を決めてもおかしくないんじゃないかという提⾔、そして23区、川崎市もそうなんですが、地⽅交付税という国の交付税を受け取っていないんですね。それだけ財政⼒があるとされているからなんですが、この財政⼒があるということのペナルティ、これがですね、流出額、例えば横浜市が1位なんですよ。272億円が流出しているんですが、国から75%つまり204億円は戻ってくるんですね。 そういう意味では、川崎市あるいは23区などの、地⽅交付税をもらっていないところが100%なんです。ということでいうと、世⽥⾕区は実際の影響額としては川崎市の 121億円に次ぐ98億2,000万円と、こういう影響を受けているんですね。そこから⾔いますとですね、こういう⾔い⽅でいいのかどうかなんですが、ものすごい⾼級なビンテージ物のお酒とかワインをですね、4本ふるさと納税でいただくと、ほとんどの⾃治体で、いやいやこの 3 本分は国の⽅で⾯倒を⾒ますからと。3本は国が払ってくれると。なんと 3,000億円なんですね、昨年で積み上げた⾦額が。これはやっぱり相当の⾦額で、そういうふうにも実は税⾦が出ているんだってことは意外と知られてないですよね。
  • 平田氏:はい。いろんな形で実は皆さんの⽣活にこの政府のお⾦が使われることでいい⾯ももちろんあるかもしれないんですが、本来こんなお⾦の使い⽅をしていいんですかというような使われ⽅もしてしまっているというのが、このふるさと納税の仕組みです。 特にですね、意識されてないのが、実は国もですね、ふるさと納税が増えれば増えるほど、今ありました交付⾦を出さなければいけないので、税の⽀出が増えると。ということは、どんどんどんどんふるさと納税の規模が増えれば、それだけ⽇本の国の財政にマイナスの影響を与えてしまうということになりますので、とても悩ましい問題だというふうに思っています。
  • パーソナリティ:平⽥さん、この秋にもこういったふるさと納税のシステムの改正などもあったんですが、そういった要望も汲み⼊れられての変化なんですか?
  • 平田氏:正直、そういうふうには⾔えないと思います。今回のルールの変更はですね、いわば各⾃治体でルールの読み⽅がまちまちだったそのルールをよりわかりやすく、厳密なものにしたというようなものでありますので、基本的な今議論になっているような⼤きな問題を改善するというような効果に関しては、ほとんどないと考えていいと思います。
  • パーソナリティ:区⻑、なんだかもどかしい、こういったふるさと納税というところで、今までも返礼品競争から距離を少し置いていらっしゃったところを、区⻑もいろいろ変⾰されてきましたもんね。
  • 区⻑:これもやむを得ず、背に腹をかえられずみたいなところですけれども、やはり、この税源を奪い合う、特に⼤都市ですからそこにしかないもので、地⽅からどんどんお⾦を出してもらうというところには与しがたかったんですが、昨年からですね、お菓⼦だとか、ホテルの宿泊券だとかレストランの利⽤券とかというものは始めています。いわゆる返礼品ですね。それまでは社会貢献型、地域貢献型ということで、児童養護施設の若者の⽀援の寄附型奨学⾦に協⼒していただけませんかっていうような、いわば返礼品ではない⽀援をしたいという政策に税を振り向けていただくみたいな、そういう活⽤の仕⽅を呼びかけて⼀定の成果は上げてきたんですが、何せこういう流出の勢いが⽌まらないことに危機感を抱いています。
  • パーソナリティ:本当ですね。まさにその中でも、また下北沢の駅前広場プロジェクトだったり、さまざまなアプローチもされていくなかでということで、世⽥⾕区への思いもたくさん受けてはいるかと思うんですが、また後半では、これからの在り⽅などについてお話を伺っていけたらと思っております。ではこの後もまだまだ続きます。

ふるさと納税制度の本来のあり方

  • パーソナリティ:今⽇は、「ふるさと納税制度の課題」というテーマでお送りしています。ゲストには、法政⼤学教授の平⽥英明さんをお迎えしております。 区⻑、前半にて、ふるさと納税制度の⽭盾点や問題点なども分かってきましたが、本来の在り⽅としてはいかがですか。
  • 区⻑:確かに都市に⼈⼝が集中し、また経済やさまざまな情報も集中していて、地⽅が過疎化の波に洗われていたりという問題点があって、地⽅を活性化しようという趣旨については正当なものがあると思うんですが、私たちは地⽅のふるさと納税に、都市の税源が全部均等に流れているとは⾒ていないんですよね。どうも⼀握りの勝ち組みに流れているんじゃないかと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
  • 平田氏:はい。総務省の統計でふるさと納税が⼀体どこにどう分配されたのかという⾦額が分かるんですけれども、そうしますとよく出てくるトップ20の⾃治体というのが、いかに異常な額の⾦額を集めているかというのがよく分かります。⼤半の⾃治体は10億以内、平均で5億ほどです。多くても20億というのが1,700ある⾃治体のうちの1,600以上ということです。ただトップの20というのは桁が違う100億とか200億というのに近い⾦額をもらっていて、ここがものすごく⽬⽴つという状況です。こういった極端な歪んだ形で分配される仕組みというのは、本来の制度が期待しているものでは間違いなくないというふうに考えられます。
  • パーソナリティ:本当に実態のところを聞くと、本当に問題点も多いのではないかなと思いますよね。
  • 区⻑:世⽥⾕区の交流のある全国の地⽅の⾃治体って結構多くてですね、その村⻑さんとか市⻑さんに会った話、聞くとうちはマイナスですとか結構あるんですよね。ですから、補填を受けて1 億流出したら 7,500 万円、国からもらっているというところもあるので、先ほど話題にした 3,000 億円もね、ふるさと納税の補填額に使っているわけなんで、その返礼品の埋め合わせに使うぐらいなら、地⽅をもっとその財源で公平に⽀援した⽅がいいんじゃないかとも思いますね。
  • 平田氏:はい。まさにおっしゃる通りだと思いますね。このふるさと納税という仕組みは、例えば10万円寄附をした場合に、実際に寄附した⾃治体に⼊るお⾦は半分の5万円ほどになります。それは返礼品であるとか、送料といった諸々の経費を引くと半分になっちゃうということなんですね。そういうふうに半分になってしまうということであれば、本来の地⽅創⽣という観点では、例えば世⽥⾕からその半分を、要は税⾦を割り当ててあげると、例えばそういうことを仮にできるとすれば残りの半分は世⽥⾕に残るわけですね。何を⾔いたいかというと、ふるさと納税で半分経費とかで消えていってしまうぐらいであれば税⾦の仕組みを使ってですね、都市部から地⽅に分配するという⽅がよっぽど合理的で、このふるさと納税の仕組みというのは歪みももたらしますし、あまり賢いやり⽅ではないんじゃないでしょうかということかと思います。
  • 区⻑:⼀⽅で、消費税の税率を上げるということもございましたよね。これからも少⼦化対策とか⾼齢化社会を⾒ると、消費税あるいは所得税などさまざまな、現在減税の話もありますけれども、恒久的な減税はなかなか難しくて、やはり税を幅広くお願いしていくということを、国も⾔わざるを得ないような局⾯にいるんですが、このふるさと納税で結構、税に関するモラルハザードというかですね、もう1円たりとも無駄にしてはいけないはずの税⾦が、なぜか仲介サイトにかなり、推定1,000億円と⾔われますが、そういうふうに流れていたりですね。あるいは何か返礼品がないんだろうかという感覚がだいぶ根付いてしまうという、このあたりはいかがでしょうか。
  • 平田氏:これふるさと納税という名前ですが、実際は寄附ですので、本来、もともとのふるさと納税も返礼品はなかったんですね。ただ、なかなか寄附が低調だったので、おまけをつけましょうと。それがだんだん過激化していきました。現在では、⽀払ったふるさと納税の額の3割というのが1つの⽬処になっているんですけれども、ここの3割のところというのは置いておきまして、このふるさと納税を盛り上げた1つの⼤きな役割を担ったのが、ポータルサイトと呼ばれる通販のサイトのようなものを提供している業者さんです。わかりやすさを提供したとか、便利になったという意味では⾮常に良かったんですけれども、⼀⽅で、ここが経費をたくさん取っていたりとか、ふるさと納税に関わる部分では⼀体本来どのぐらいの経費がかかるべきなのかといったところも、こういったポータルサイトもよくわからないといったところで、もう少し経費がカットしてもらえるんじゃないかといったようなところも1つ論点です。それから、この返礼品⾃体を提供している業者さんと⾃治体さんとの間でちょっと問題のある取引で、例えば賄賂のようなものが出てしまうというような事例が地⽅で出てしまったりとか、この仕組みの中でいろいろな問題、うまいところをついて、ちょっと悪稼ぎをするような⼈が出てきてしまう、というようなところも⼤きな問題だな、というふうに思っています。
  • 区⻑:最初、ふるさと納税って多くの⽅がされているんですけども、どう考えても悪いこと⼀つもないんですよ。税⾦は控除されるし、品物は来るし、得だけが残ったと、しかし世の中そんなにうまい話はないわけで、少しぐらいはっていうのが積み上がって100億円に近くなったと、そうすると100億円っていう⽳がちょっと開いたと、その100億円を⼀⽣懸命埋めているわけですね。世⽥⾕区でも、それはふるさと納税をされた⽅もされていない⽅も含めて、全部の税源でこれを埋めているので、そのうち⽳が埋めきれないと何が起こるかというと、⾏政サービスが⽌まったり、あるいは削減されたり、⽬に⾒えて、あれはどうして今までやったのにできないんだっていうことに、今100億円ですが、これが200億円になると必ずそういったことが起きるだろうと予測しています。ただそれは、まだ世⽥⾕区の場合は来ていないので、何とかやりくりをしているので、ただやっぱり知っておいていただきたいなと。税っていうのはやはり地域の会費、特に住⺠税は地域で暮らすための会費だということで、ぜひふるさと納税されている⽅に半分は、実は世⽥⾕区⺠には返礼品は出せない仕組みなんですね、これはひどいじゃないかって⾔うんだけど、そういう仕組みなんですね、なので、区で推進している福祉とか⼦ども⽀援とかそういう基⾦がたくさんありますので、世⽥⾕区に半分は振り向けていただくということを考えていただければ少しは光が⾒えるかなと思います。
  • パーソナリティ:平⽥さん、そういった実際にというところでのこういった⽭盾だったり、これから都市部また世⽥⾕区の改善点だったりというところは、どんなところがありますか。
  • 平田氏:やはりですね、この流出していく、つまり皆さんがふるさと納税をする額は、コントロールは⾃治体ではできないんですね。そうしますと、少しでもお⾦が⼊ってくるようにという努⼒をせざるを得ないという状況かと思います。実はお⾦の出し⼿はやはり都市部ですので、その都市部同⼠でですね、そのふるさと納税をし合うと。これは本来のふるさと納税の仕組みからのふるさと納税という名前とはずいぶん違うものになりますが、もう背に腹はかえられない状況ですので、この都市部同⼠での連携によってお互いにそのふるさと納税をすることで少しでもその傷をですね、浅くしていくということも考えざるを得ないというところまで来ているかなというふうに考えています。
  • パーソナリティ:区⻑、区⻑会でも連携を取っていらっしゃって牽引されていますが、さらにタッグを組む必要が出てきますね。
  • 区⻑:そうですね。やはり東京23区⼈⼝だけで900万⼈近くいますので、その中でやはり相当このふるさと納税の影響をちょっと区の規模とか財政⼒によって割合が違うんですね。やっぱり共通に受けていますので、それをまず制度を変えてもらうという声を出し続けて、今回、国も少し変えたのは、ちょっとバックには制度を変えてくれと、そういったことを⾔ってきたことの結果もあると思うんですね。抜本的には変わっていないんですが、今平⽥先⽣おっしゃったような都市の⾃治体同⼠でこの制度に批判はあるんだけど、⾃衛のためのタッグを組むというのも⼀つの選択肢かなと思いました。
  • パーソナリティ:区⻑。本当にこれから、改善すべき点が多くありますねそうですね。
  • 区⻑:そうですね。世⽥⾕区だけでできることはもちろん⼀⽣懸命やりますが、これ、やはり、制度⾃体が内側に持っている⽭盾や、変えてほしい点ですね、例えば上限がないよっていうところだとか、その返礼品合戦にやっぱりそこは維持されているっていうことであるとか、あるいはその4分の3の補填って本当に必要なのっていう、そういったところであるとか、実はこれ制度の問題って国の制度ですよね。ということは、国会などで丁々発⽌議論されたっていうことをいまだに聞かないんですね。本当は議論してほしいんですが、いかがでしょうか。
  • 平田氏:はい。ふるさと納税をいっぱい受け⼊れている⾃治体、それから出ていってしまっている世⽥⾕区のような⾃治体それぞれ皆さん、同じ国が定めたルールの下でこのふるさと納税の枠組みの中で、いわば競い合いをしているというのが状況です。本来であれば、区⻑がおっしゃる通り、国会の中でこの制度の問題、そもそもこの制度が何をもたらしたのかということをきちんと検証して問題点があるのであれば、例えばそのふるさと納税の控除のする枠を 2割というふうに2015年に増やしたものを減らすことによってふるさと納税できる額を減らすであるとか、それからもう少し返礼品の割合をそもそも減らしていくとか、いろいろな対処策が考えられると思うんです。ここは国会が変えてくれないと⾃治体の⽅で法律は変えられませんので、ここはやはり国会議員がこの問題に正⾯から⽴ち向かっていくということをやっていただくべきなんではないかなというふうに考えている次第です。
  • パーソナリティ:区⻑も今までも要望書を提出したり発信もされてきました。これからさらに改善できるようにというところで推進されていかれるかと思いますが、いかがですか。
  • 区⻑:そうですね。ぜひ感情論になりがちなんですね。やっぱりふるさと納税が制度としてあるんだから、それは使って何がっていう疑問はわかるんですが、制度そのものが歪みを⽣じさせているということが今明らかに少しなったかなと思いますので、ぜひ考えていただきたいなと思います。

まとめ

  • パーソナリティ:今回も「ふるさと納税についての課題」としてお話を伺いました。改めて区⻑、本⽇のまとめ、いただいてもいいですか。
  • 区⻑:ふるさと納税制度はまだまだ続いていくと思いますけれども、世⽥⾕区⺠の方、あるいはその区⺠以外の⽅も地元の⾃治体にもできますので、これからふるさと納税ってそういう問題あるんだな、でもリピートっていうところもわかりますので、せめて半分は地元の⾃治体に振り向けるように考えていただければだいぶ影響は軽くなるんじゃないかなと思います。やはりふるさと納税の問題は、私たちすごく悩んでいるんですが、いや、どうしてそんな悩んでいるのっていうことはあまり知られていないっていうこともよくわかりました。もっともっと、こんな状況になっているんだってことをわかりやすくですね、説明して選択肢を提⽰していくってことが必要だと改めて思いました。
  • パーソナリティ:ありがとうございます。本⽇は、「ふるさと納税の課題」についてということでお話を伺ってまいりました。 保坂区⻑、平⽥さん、ありがとうございました。
  • 平田氏、区⻑:ありがとうございました。
写真令和5年11月放送
写真左よりパーソナリティ、保坂区長、平田氏

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