ミニコミ紙107号について、テキスト形式で掲載します。 発行は烏山地区ミニコミ紙編集委員会です。 事務局は烏山まちづくりセンターです。 1面 避難所を知ろう 〜防災の日に向けて〜  9月1日は防災の日です。もともとは関東大震災があった日から制定されたものです。 そして記憶に新しい東日本大震災。多くの方の帰宅が困難になりました。その時は世田谷区では建造物に大きな被害はありませんでした。しかし、もし、今後住んでいる家にとどまることが困難な状況になるほどの被害が出た時はどうすればいいのでしょうか。被害発生後、自宅で居住が可能であれば避難所に行く必要はありません。なるべく自宅にとどまってください。自宅が安全でないときは避難所に行ってください。ただし避難所は情報発信、飲料水の配給、安否確認、行政からの情報など防災の拠点にもなりますので活用をしてください。  避難所は世田谷区の場合はお近くの区立の小学校や中学校に開設されます。ここで重要なのは、設営準備をするのは区の職員ではなく、地元の皆さんであるということです。学校の敷地内には食料や生活必需品、トイレなどを備蓄した防災倉庫を設置しています。こちらの設営訓練をされている地元の皆さん(町会や自治会、PTAなど)が区と連携、協力して開設準備をします。ですので、発災後、すぐに設営ができるとも限りません。なぜなら設営する人達も被災しているかもしれないからです。  まずはお近くの区立の小学校や中学校の場所をご確認ください。大きな地震が起きたらすぐに避難所に行くのではなく、滞在が継続できるなら自宅避難という形をとってください。小学校や中学校も広さが無限にあるわけではありません。地域の方全員を収容することは不可能です。  ですので、飲料水や食品は最低でも3日分、できれば1週間分を蓄えておくといいでしょう。また、生きていくうえで必要な飲み水は1日2〜3リットルといわれていますが、子供にも同じ量が必要です。また、実は飲料水だけでなく生活用水(手洗いやトイレなどで使う)も必要になってきます。水を備蓄されてい る方で、期限切れのものがありましたら、それは飲料水としては適しませんが生活用水としては活用できるので、保管できるのであればしておいたほうがいいでしょう。  避難所にはいろいろな設定があります。一時集合所は危険回避のために一時的に集合して様子を見る場所として指定されているところで、世田谷区内におよそ470か所が設定されています。また大規模な火災などが発生し、地域にとどまるのが困難な場合は広域避難所に移動することになります。こちらへは集団で避難をします。広域避難所は場所が広く、火災延焼の影響が少ない場所が指定されています。詳しい場所については区役所、烏山総合支所、まちづくりセンターなどにいつでもお尋ねください。烏山まちづくりセンターでは広域避難所の案内、一時集合所の場所そして、学校などが避難所として設営された場合に必要な避難者カードをお配りしています。これはあらかじめ記入しておくといいでしょう。こちらには家族の情報、特別な援護が必要な方の情報、ペットの情報などが記入できるようになっており、これらの情報を共有することで、家族の安否を確認しやすくする狙いがあります。こちらのカードについてはまちづくりセンター(烏山区民センター1階)にお尋ねください。日頃からの心がけが自分を最終的には守ります。自分の安全、家族の安全が確認できましたら、周りの弱者、高齢者のお手伝いをお願いします。災害はいつやってくるかわかりません。いざというときの地域の絆が大切です。 2面 この夏、世田谷文学館へ行こう!  芦花公園駅の南側、蘆花恒春園方面に向かって徒歩5分のところに世田谷文学館はあります。1995年に東京23区初の近代総合文学館として開館したという、公益財団法人せたがや文化財団が運営する博物館施設です。図書館?と思われている方がいるようですが、実は文学を中心としたものを扱う博物館(ミュージアム)施設なのです。  地上3階、地下1階のこの建物、1階と2階が展示スペースとなっています。どんな展示がされているのでしょうか?  まずは1階、入ると奥に「ほんとわ」というスペースがあります。ここは本との出会いを提案する場所で、子供たちが大好きになりそうな本がたくさんあります。うれしいことに、授乳室も用意されているので、小さいお子様連れでも楽しく過ごすことができます。  そしてコレクション展、これは10万点以上ある世田谷文学館の文学やそれにまつわる所蔵品を中心に展示を行っています。この10万点の資料の中には、文学から派生した映画の脚本や、有名文学作品の自筆の原稿(本物!)と写真などがあるそうです。  世田谷文学館は何度訪れても楽しいところなのですが、その大きな理由に、企画展があります。年に4回実施されるこの企画展は、開館当時から、文学館のスタッフが立案、企画をして、いろんな視点から文学にまつわる展示をしています。文学だけではなく、アートの企画展示もあります。実は来年この企画展も100回目を迎えることになるそうです。  今年、1月から3月まで開催されていた画家・ヒグチユウコさんの特別展示の初日開館前には文学館から烏山川緑道の芦花中学校まで人が並ぶ大ヒット展示になりました。1日で平均千人もの方がお見えになったそうです。初日からしばらくは、芦花公園駅で同じ袋を持つ方々の姿が見られていました。これは文学館でグッズを買った人たちだったのですね。  現在、夏の企画展が開催中で、70年代から90年代にかけて女子中高生を中心に爆発的な人気を博した「オサムグッズ」の生みの親、原田治(1946〜2016)の展示が行われています。ドーナッツ店などのキャラクターを描いたことでもおなじみのイラストレーターですね。 そして10月から12月まで、日本SF文学の巨頭、小松左京展が予定されています。「復活の日」 「日本沈没」「首都消失」など、読んだ人々を震え上がらせる想像力、そしてその圧倒力に魅了されている方も多いと思います。その小松左京という人は何者なのかを紐解く展示とのことです。 ※ここで65歳以上の方に朗報です。10月18日金曜日は65歳以上の方は企画展入場料600円のところ無料になります。  イラストやSFの世界の次は年明けには歌舞伎俳優、世田谷に住んでいた人間国宝、6代目・中村歌右衛門展が予定されています。世田谷を愛した歌右衛門を通じて、歌舞伎の世界の華やかさ、奥深さ、そして文化を知ろうという企画です。  こうやって展示を見る企画に目を奪われがちですが、参加する企画もあります。中でも9月3日から13日まで募集をしている世田谷文学賞。短歌や俳句、川柳、詩、随筆などを募集しています。川柳は17文字ですから、もしかしたらそれで文学賞が取れるかもしれません。我こそはという方、応募してみてはいかがですか?詳しくは世田谷文学館のホームページをご覧いただくか、直接文学館にお問い合わせください。身近なところに文学のオアシスがります。無料で休憩できるスペースもありますので(館内の喫茶店「喫茶どんぐり」のケーキもおいしいです)酷暑の避暑にお立ち寄りになってみませんか? 3面 烏山福祉作業所ってどんなところ? 古着・古布回収へのご協力ありがとうございました。  北烏山1丁目の住宅街の中に烏山福祉作業所はあります。世田谷区立のこの施設は昭和59年4月に設立された障害者総合支援法にもとづいた「就労継続支援B型」(定員66名)の事業所です。一般企業等での就労が困難な方に、働く場を提供するとともに、知識及び能力の向上のために必要な支援をしています。原則として、世田谷区内にお住まいの18歳以上の主に知的障害者の方でかつ施設受給者証をお持ちで、お一人で通所できる方が通われています。  こちらの施設長の野々村さんにお話を聞いてきました。  こちらには自主生産品を作る工房があり、様々なものを作っています。取材した私が特に気になったのが施設正面玄関入ってすぐのところにある冷蔵庫でした。その中には色鮮やかなジャムがたくさん入っていました。聞くところによると、保存料や合成着色料などは入っておらず、フレッシュなジャムです。こちらはその味が評判となって世田谷みやげに選定されています。こちらで購入することができます。 福祉作業所内の工房「asi(あし=芦)」で作られるこのジャムは、世田谷区内で生育した果実を使用しているそうです。世田谷区内の公園などの公共施設のほか、近隣の家庭から提供される柑橘類や梅を使用しており、高齢などの理由で果実の採取が難しい場合は出張して採取をしているそうです。提供のお礼に作業所の皆さんが庭の枝草刈りをするお手伝いもするそうです。果物の味が引き立つようシンプルに作られたジャムは季節ごとに種類が変わります。まさに究極の地産地消ですね。収穫、下処理、加工、瓶詰、ラッピングまですべて手作りでやっています。1瓶400円から600円です。引き続き、果実の募集もしているそうです。詳しくは作業所にお問い合わせください。また、ジャムだけでなく焼き菓子なども製造しています。こちらの味もとても軽やかで優しい味と評判です。烏山福祉作業所での購入のほか発送もしています。  そのほか、食べ物以外でも、吸水力が抜群のさき織マットやポーチ、メガネケース、コースターなど小物も製作しているそうです。  烏山福祉作業所の皆さんは、建物の中でこういった作業をするだけでなく、積極的に街とかかわりを持つことにも力を入れています。地域の公園の清掃や、イベント、まつりなどへの出店、また文化イベントへの出演も数多くしています。3月に都内では初の開催となった烏山区民センターを中心にして行われた「とっておきの音楽祭 東京世田谷in烏山」にも出演し、パフォーマンスを披露しました。同音楽祭の企画・運営の一員としても携わりました。こういったことに積極的に参加していくことについて話を伺うと、障害のある、ないの違いだけでなく、様々な違いを包み込むまちづくりの一助として、そして作業所の皆さんのモチベーションを高く保ち、共生していくことを目指しているのだそうです。 10月に蘆花公園で行われる蘆花まつりにも出店・出演を予定されているそうです。10月5日(土)には、地域交流を目的にした行事「からフェス」を開催するとのことです。  作業所の皆さんは明るく元気に仕事をされています。作業しているときの真剣なまなざし、そして時々見せる笑顔。そして積極的に外に出ていくポジティブな姿勢。これからの多様性の社会の中で、大事なことだと感じました。 〜ご協力ありがとうございました〜 烏山地区ごみ減量・リサイクル推進委員会が主催の6月古着・古布回収の回収量は、4,900sでした。次回は、11月20日(水)です。皆様のご協力をお願いいたします! 4面 新任校長先生、副校長先生のご紹介  芦花中学校  井尻 郁夫 校長  4月に芦花中学校の校長として着任しました井尻郁夫(いじり いくお)と申します。世田谷区での勤務は初めてとなります。素直で落ち着いた生徒、まじめでよく働く教員と共に過ごすなか、地域の皆さまに支えられていることを実感する毎日です。「生徒も教師も気持ちよく向上をめざす学校」づくりに力を注いでまいります。  上祖師谷中学校 柄澤 茂之 校長  4月より赴任いたしました、上祖師谷中学校 校長の 柄澤 茂之(からさわ しげゆき)と申します。渋谷区より転入してまいりました。校長職は、7年目になります。世田谷区は初めての経験ですが、校長になった1年目に、小・中の連携について、世田谷区の『学舎』の構想を参考にさせていただいていたので何かの縁があるのかもしれません。教育は、学校だけでできるものではないと考えています。「地域とともに子供たちをはぐくむ上祖師谷中学校」をモットーに頑張ります。これからよろしくお願いいたします。  烏山小学校 橋口 直美 副校長  4月に区内中町小学校から烏山小学校に着任しました。世田谷区での勤務は17年目になります。烏山小学校の明るく素直な子どもたちと毎日過ごせることを何よりもうれしく思います。野鳥がさえずり、緑が美しいこの烏山で、子どもたちの幸せと成長を願い、日々尽力いたします。保護者の皆様、地域の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。  武蔵丘小学校 近藤 英仁 副校長  4月より区内の世田谷小学校から、昇任して参りました近藤英仁(こんどう ひでひと)です。副校長になったばかりですが、武蔵丘小の保護者・PTAの方々や地域の方々がとても温かく、いつも支えて下さいます。その期待に応えられるよう、子どもたちが健やかに成長できるように、一生懸命に努めてまいります。これからも宜しくお願いいたします。  芦花中学校 高橋 真弓 副校長  今年度より芦花中学校副校長に着任した高橋真弓です。行事の多い1学期をパワフルに乗り越える先生方に頼もしさを、一つひとつのことに真面目に頑張る芦花中生に確かな成長を感じています。烏山地域の皆様方は大変力強く学校をバックアップしてくださり本当に心強く思います。これからも地域との連携を大切にしながら頑張っていく所存です。どうぞよろしくお願いします。  上祖師谷中学校 毛利 慎治 副校長  4月に区内より副校長として昇任して参りました毛利慎治です。生まれも育ちも世田谷で、この烏山地域の学校で勤務することを光栄に存じます。上祖師谷中学校の生徒が主体的に活動し、夢に向かって挑戦できるように取り組んでいきたいと思います。いつでも学ぶ姿勢を大切に「我以外皆我師」の気持ちで、自分らしさを求めながら、日々の校務に努めてまいります。