災害時にペットを守るために、ペットの飼い主の皆さんへ。 区は、東京都獣医師会世田谷支部をはじめ、関係団体などとの協力について協議を進め、災害に備えてまいります。 災害が起きたときに、家族とペットが安全に避難できるように日ごろから準備しておきましょう。 1、災害発生時の対応 災害は突然起こります。いざというとき、飼い主とペットがともに安全でいられるためには、日頃からの心構えと備えが大切です。 (1)地震直後 まず、飼い主の安全について、ガラスや家具から離れ、丈夫なテーブルや机の下に身を隠すなど身の安全を確保しましょう。 火の始末をして、ドアを開けて避難経路を確保しましょう。 次に、ペットの安全について飼い主が動転しているとペットにも伝わります。飼い主が落ち着いて、ペットを落ち着かせるよう努めてください。 犬にはリードをつけ、猫は慣れたケージに入れるなど、とっさの行動が取れるようにしてください。 (2)地震がおさまってから、避難するかどうかの判断について、避難するときは、 1区や消防・警察等の避難勧告や指示があった時 2避難の指示がなくても地域の防災区民組織(町会・自治会等)が避難の必要があると判断したとき 3周辺地域に火災が発生し、延焼の危険がある時です。 次に、自宅から避難するときは、以下の3つが避難場所となります。 1一時集合所                         これは、自宅等が危険になった時、危険回避のために一時的に集合して様子を見る場所です。町会・自治会等が集団で行動し、周囲の状況を確認します。 2広域避難場所                         これは、火災の延焼などで自宅・一時集合所が危険な状態になった時、火災の延焼などを一時的に逃れるときに避難する場所です。区内外23箇所を指定しています。 3避難所  これは、自宅での居住が困難な時、二次災害を受ける可能性のある時に、一時的に生活するための施設です。区立小中学校等を指定しています。危険が去り、自宅等が安全になった時は自宅等へ戻ります。 (3)災害時には、人もペットも大きなストレスにさらされます。そうならないためには、避難をしないで済むように、住居の耐火・耐震化、また家具を固定するなどの備えが大切です。 設備投資はかかりますが、命にかかわる問題です。可能な限り、生活環境における備えを施しましょう。 2避難所におけるペット同行避難のイメージについて 災害発生時に備え、避難所におけるペット同行避難のイメージを持っていただくことが大切です。ここでは、避難所におけるペット同行避難の標準的な内容を以下にまとめました。 注意点1 各避難所(区立小・中学校等)の開設や運営管理は、避難所ごとの避難所運営組織(町会・自治会など地域住民、PTA、学校関係者等)で協議し、決めています。 区では、避難所の開設・運営・管理の基本的な手順、注意事項等をまとめた「避難所運営マニュアル(標準版)」を作成し、これをもとに各避難所運営組織で協議していただき、地域や学校の実 情にあったマニュアルの作成をお願いしています。 注意点2 避難所では災害の規模や状況に応じ、区災害対策本部と避難所運営組織などが調整を図りながら、開設や運営管理が行われます。 ここに記載した標準的な避難所におけるペット同行避難は、区地域防災計画の前提条件となる首都直下地震(東京湾北部を震源とするマグニチュード7.3)など大規模災害が発生した場合を想 定しています。 次に、標準的なペット同行避難のルールについて。 「避難所運営マニュアル標準版)(平成30年修正版)」には、ペット同行者への対応として以下の内容があります。 まず、ペットの受入れ範囲について、原則、犬・猫等の小動物(避難者に危険を及ぼさない動物等)です。 次に、ペット受入れの条件について、原則、飼い主がケージやキャリー等を持参します。ペットの飼育・管理は飼い主が自主管理します。 避難者の滞在スペースとペットの滞在スペース(飼育場所)は完全に分離し、ペットはケージ内や繋ぎとめにより飼育します。 次に、ペットの滞在スペース(飼育場所)について、校庭の場合は、鉄棒や鉄柱のある場所を選び、支柱につなぎとめたり、ブルーシート等を使用して雨よけを作ります。 ペットの滞在スペース(飼育場所)は、鳴き声等が届かないよう極力、避難者の避難生活を送る場所から離れた場所にします。 ペットの飼育に必要なケージや鎖(リード)は、原則、飼い主が用意します。 ペット用トイレの場所は避難所運営本部が指定します。 次に、登録簿への記入について、「避難所ペット登録カード」に必要事項を記入し、避難所運営本部に提出します。 なお、飼い犬の登録を行っている場合は、「避難所ペット登録カード」に鑑札番号を記入します。ペットを入れたケージやキャリーに番号を付けて管理します。 最後に、飼い主グループの設置について、ペットの飼育は飼い主が共同して行います。(食料の調達も飼い主が行います。) 飼い主のグループは、飼育場所や周辺の清掃を定期的に行います。 避難所運営本部とのペットに関する要望・相談の窓口として、飼い主のグループの代表を事前に決めておきます。 飼い主のグループは、避難所内の飼育ルールを避難所に掲示するなど、ルールの周知徹底をします。 3被災した動物の救護活動について、災害発生の時に飼っている動物が被災し、負傷することも想定されます。 このため、区は、平成17年3月に東京都獣医師会世田谷支部と災害時の動物救護活動について協定を結び、協力して被災動物の救護活動などにあたることとなっています。 まず、被災した動物の応急手当について、東京都獣医師会(世田谷支部)に所属する動物病院が救護所になります。(基本的には各避難所に救護所を設けません。) 被災した動物の応急手当が必要になった時は、最寄りの東京都獣医師会世田谷支部に所属する動物病院で応急手当が受けられます。 次に、その他の協力内容について、被災した動物の保護管理、被災した動物に関する情報提供、動物飼育等の活動の助言などについても区と協力して救護活動が行われます。 なお、今後、区は関係団体などとの協力について協議を進め、災害に備えてまいります。 4飼い主の日頃からの備えについて、災害が起きた時には、避難所に多くの方々が避難してきます。避難所では動物の毛などによるアレルギーの方や動物の苦手な方などと共同生活を送ることとなります。 避難所でペットが人の迷惑にならないように、日頃からペットのしつけや健康管理などを心がけましょう。 まず、基本的なしつけについて、避難所では、お互いに気持ちよく過ごせるようにマナーを守りましょう。ペットがしつけられていれば、周囲の人たちも飼い主も心が休まります。 日頃から以下の基本的なしつけをしておきましょう。 1人や他の動物を怖がらない。人や他の動物とのコミュニケーションの機会をつくりましょう。 2ケージに嫌がらずに入る。ケージに慣れさせるトレーニングをしましょう。 3トイレは決められたところでする。自宅でトイレのしつけを根気よくしましょう。 4むだ吠えをさせない。飼い主の指示を守るように根気よくしつけをしましょう。 なお、しつけでお困りの際は、専門家による対処が必要な場合もありますので、獣医師やドッグトレーナーなどに相談しましょう。 次に、ペットのための防災用品について、避難所では、人に対する準備はしていますが、ペットに対する備えは基本的には飼い主が準備することになります。 ペットのための防災用品として以下のものを用意しておきましょう。 1ペットのえさと水(最低5日分できれば7日分)と容器 2ペットの常備薬 3ペットのトイレ用品(簡易トイレ、ペットシーツ、新聞、ビニール袋など) 4ペットケージ、引き綱(リード) 5ペットの写真や健康状況などの記録(愛犬手帳など)写真は、万が一、迷子になって探すときに役立ちます。健康状況などの記録があると、診察などの際に情報をスムーズに伝えられます。 次に、迷子を防止するための措置について、突然の災害でペットが驚いて逃げてしまったり、飼い主不在のときに災害が発生するなど、飼い主とペットが離ればれになることも想定されます。 ペットが飼い主の元に戻れるように、首輪に鑑札や名札など身元がわかるものをつけておきましょう。 (狂犬病予防法により飼犬に鑑札を装着することが義務づけられています。必ず首輪につけましょう。) また、マイクロチップは、一度装着すれば半永久的に識別が可能であり、名札のように首輪から外れる心配も少ないなどの点で有効な方法です。 なお、マイクロチップ(直径2ミリ、長さ12ミリ程度)は、犬、猫の場合、獣医師が専用の注射器を使って首の後ろの皮下に挿入します。 各マイクロチップには15桁の数字が記録されており、この番号を専用のリーダーで読み取ることで、データベースに登録されている飼い主情報(飼い主の登録手続きによりAIPO(日本獣医師会))と照合することができます。 リーダーは東京都動物愛護相談センター、保健所、動物病院に配備されています。 次に、健康管理について、ペットの健康管理を心がけ、予防接種などを済ませていると、周囲の人たちも安心感をもてます。日頃から以下の点に注意し、ペットの健康管理を行いましょう。 1飼犬には、年一回、必ず、狂犬病予防注射を受けさせてください。 なお、飼犬の登録、年一回の狂犬病予防注射は狂犬病予防法で義務付けられています。鑑札、狂犬病予防注射済票は必ず首輪につけてください。鑑札と狂犬病予防注射済票が提示できれば避難所の受入もスムーズに進みます。 2各種ワクチンを接種しましょう。 3ノミやダニの予防をしましょう。 4普段から体を清潔に保ちましょう。 最後に、その他の備えについて、以下の事項を確認しましょう。 1避難所の生活は人もペットもストレスを受けざるを得ません。必要に応じて、親類、知人、動物病院など緊急時にペットを預かってくれる場所を事前に確保しておくことも大切です。 2避難所で受け入れるペットは、原則として犬、猫、の小動物(避難者に危険を及ぼさない動物)です。 受入困難なペットの飼い主の皆様は、ペットの受け入れ先を日頃から探しておいてください。 3日頃から近隣住民の方々とコミュニケーションや飼育マナーに気を配ることで、万が一のときでもお互いに助け合う気持ちが持てるようになります。 4避難所の所在地や避難ルートを確認しておきましょう。 問合せ先 災害対策全般に関することは、危機管理室災害対策課、5432-2262へ、各避難所に関することは、世田谷総合支所地域振興課地域振興防災担当、5432-2831、北沢総合支所地域振興課地域振興防災担当、5478-8028、玉川総合支所地域振興課地域振興防災担当、3702-1603、砧総合支所地域振興課地域振興防災担当、3482-2169、からす山総合支所地域振興課地域振興防災担当、3326-9249へ、飼い主の備えに関することは、世田谷保健所生活保健課へ、5432-2908までお問合せ下さい。