第2次世田谷区立図書館ビジョン第3期行動計画 令和4年度〜令和5年度(2022年度〜2023年度) 目 次 第1章 第2次世田谷区立図書館ビジョンの概要 1 世田谷区立図書館ビジョンの目的 2 基本理念と基本方針(施策展開の柱) 3 施策体系 4 これまでの主な取組みと課題 ― 第1期・第2期行動計画 第2章 第3期行動計画 1 第3期行動計画の位置づけと計画期間 2 第3期行動計画の重点プロジェクト 3 第3期行動計画の施策体系と事業項目 4 第3期行動計画事業項目・年次計画 基本方針1  0歳児からの読書を支える図書館 基本方針2  大人の学びを豊かにする図書館 基本方針3  暮らしや仕事に役立つ図書館 基本方針4  世田谷の魅力を収集・発信する図書館 基本方針5  図書館ネットワークの構築 基本方針6  専門性と効率性を両立した運営体制の構築 資 料 編 1.図書館の利用状況推移 2.コロナ禍の影響 (平成31年4月〜令和3年10月) 3.特別区(23区)の図書館統計比較 4.各図書館の地域特性展示コーナー一覧 5.世田谷区立図書館についてのアンケート調査結果概要 (1)アンケート概要 (2)アンケート結果 6.世田谷区子どもの読書に関する実態調査結果概要 (1)アンケート概要 (2)アンケート結果 第1章 第2次世田谷区立図書館ビジョンの概要 1 世田谷区立図書館ビジョンの目的 世田谷区立図書館ビジョンは、世田谷区立図書館の将来像を見据え、図書館を取り巻く状況の変化に対応し、区民の期待や要望に的確に応え、世田谷区における知識・情報・文化の拠点としての図書館をより一層充実・発展させるため、図書館サービスの基本方針を示す計画です。 第2次世田谷区立図書館ビジョン(以下、「第2次図書館ビジョン」)は、平成22年に策定された世田谷区立図書館ビジョン(以下、「第1次図書館ビジョン」)の中間見直し年に際し、これまでの成果と課題を踏まえ、平成27年に策定したものです。第1次図書館ビジョンの基本理念である「知と学びと文化の情報拠点」を踏まえ、平成26年3月に策定された世田谷区基本計画ならびに第2次世田谷区教育ビジョンに掲げられた図書館像をめざし、新しい図書館サービスを推進することを目的としています。 さらに、第2次図書館ビジョンでは、子どもサービスの充実を図るために、これまで関連計画として位置づけてきた世田谷区子ども読書活動推進計画を施策体系に取り込み、子どもたちが読書に親しみ、楽しむための施策をより一層推進しています。 第2次図書館ビジョンの計画期間は、平成27年度からの概ね10年間を計画期間としています。また、第2次図書館ビジョンの実現に向けて、2〜4年程度の期間における具体的な事業項目と年次別計画を示す行動計画を策定しており、第1期行動計画は平成27年度から29年度までの3か年、第2期行動計画は平成30年度から令和3年度の4か年を計画期間としていました。 2 基本理念と基本方針(施策展開の柱) 第2次図書館ビジョンでは基本理念を「知と学びと文化の情報拠点」と定め、その実現に向け、事業方針と運営方針からなる基本方針(施策展開の柱)を次のように定めています。 事業方針は、図書館サービスの方向性を示すものです。図書館のこれまでのあり方を大切にしながら、利用者の視点に立ち、多様なニーズに基づく新しい図書館サービスの実現に向けた施策からなっています。また、運営方針は、そのサービスを実施するための体制や運営・管理のあり方を示すものです。事業方針と運営方針が相互に補完しあうことで、効果的に施策を進め、基本理念を実現します。 基本理念:知と学びと文化の情報拠点 図書館の公共性の観点に立ち、子どもが本に親しみ、豊かな精神的成長を助けるとともに、大人の知的欲求と学習意欲に応えます。さらに、読書や地域文化の情報収集と発信を通じて世田谷の魅力を見出し、それらの活動や文化の担い手となるコミュニティの醸成につながる交流の場所、地域に開かれた知的な居場所をめざします。 4つの視点 知と学び 子ども 地域文化 コミュニティ 基本方針(施策展開の柱) 0歳児からの読書を支える図書館 大人の学びを豊かにする図書館 暮らしや仕事に役立つ図書館 世田谷の魅力を収集・発信する図書館 図書館ネットワークの構築 専門性と効率性を両立した運営体制の構築 3 施策体系 事業方針としては、子どもの読書に関わる「0歳児からの読書を支える図書館」、大人の学びに関する「大人の学びを豊かにする図書館」、課題解決やコミュニティ形成に関わる「暮らしや仕事に役立つ図書館」、地域文化を発信することをめざした「世田谷の魅力を収集・発信する図書館」を掲げます。 一方、運営方針としては、各図書館・図書室の役割や外部機関との連携をまとめた「図書館ネットワークの構築」、管理運営の組織に関する「専門性と効率性を両立した運営体制の構築」を掲げます。  各方針の施策の方向性、取組項目については、以下のとおりです。なお第3期行動計画策定にあたり、障害者・高齢者など多様な利用者へのサービス充実の必要性などを見据え、一部を修正しました。 施策体系 基本方針 1.0歳児からの読書を支える図書館 施策の方向性 (1)子どもが本に出会う機会をつくる 取組項目 @図書館による子どもの読書を支援する取組みの拡充 A地域・民間団体と協働した子どもの読書を支援する取組みの推進 施策の方向性 (2)子どもサービスの拠点をつくる 取組項目 @子どもサービスの推進に向けた図書資料等の充実 A子どもの読書活動に関わる人材の育成 施策の方向性 (3)充実した学校図書館づくりを支援する 取組項目 @学校図書館に関わる人材の育成 A地域との連携を深める取組みの推進 B学校図書館に対する支援と体制の確立 基本方針 2.大人の学びを豊かにする図書館 施策の方向性 (1)多様な学びの機会をつくる 取組項目 @図書資料等の充実と区民と情報をつなぐサービスの推進 A主体的な学びを促す事業の実施 B多様な利用者へのサービスの充実【新規】 施策の方向性 (2)お互いに学びあう機会をつくる 取組項目 @知識や情報を共有する事業の実施 A学習成果の発信 施策の方向性 (3)地域で学びを活かす人材を育てる 取組項目 @読書や情報に関わるボランティアの育成 Aボランティア活動等区民参画の促進 基本方針 3.暮らしや仕事に役立つ図書館 施策の方向性 (1)区民の悩みや課題の解決を助ける 取組項目 @課題解決支援のためのサービスの拡充 A地域文化活動を支援するレファレンス等の検討 施策の方向性 (2)人が集い、つながりを生む場づくり 取組項目 @利用者同士の交流を促す事業の実施 A人が集うためのスペースの充実 施策の方向性 (3)地域で活動する団体との関係を築く 取組項目 @地域で活動する機関・団体との積極的な連携の推進 A本を用いた地域文化活動に対する支援の推進 基本方針 4.世田谷の魅力を収集・発信する図書館 施策の方向性 (1)世田谷の地域活動の情報を集める 取組項目 @地域文化、まちづくり等の区民活動に関する資料の収集 A他機関と連携した資料情報の集約 施策の方向性 (2)世田谷の魅力を広く伝える 取組項目 @図書館の取組みに関する情報発信 A世田谷の魅力(世田谷らしさ)の発信 施策の方向性 (3)新しいメディアでの資料収集・公開を進める 取組項目 @資料の電子化と公開に向けた検討 A電子的な資料の収集・公開に関する検討 基本方針 5.図書館ネットワークの構築 施策の方向性 (1)図書館ネットワークを整備する 取組項目 @図書館・図書館カウンターの機能の充実 A情報システム及び設備・施設上の整備の推進 施策の方向性 (2)中央図書館の機能を拡充する 取組項目 @中枢機関としての機能の充実 A子どもサービス拠点としての機能の充実 施策の方向性 (3)世田谷の教育・文化機関と連携する 取組項目 @区の教育機関・文化施設等との連携の拡充 A町会・自治会や商店街等民間団体との連携の推進 B本や読書に関する区民団体との連携の推進 基本方針 6.専門性と効率性を両立した運営体制の構築 施策の方向性 (1)民間活用を計画的に導入する【修正】 取組項目 @ネットワークの中心となる中央図書館の運営体制の検討 Aニーズに応じた多様な運営体制の検証・構築 施策の方向性 (2)職員に必要なスキルと専門知識の向上を図る 取組項目 @職員の専門性向上に向けた取組みの強化 施策の方向性 (3)事業・運営の指針・目標を示す 取組項目 @定期的な事業の実施状況や運営状況の評価 A評価への利用者の視点の取り込み 4 これまでの主な取組みと課題 ― 第1期・第2期行動計画 平成27年4月に策定された第1期行動計画では、予約資料の貸出・返却、登録等を主な機能とする新たな施設である図書館カウンターを、二子玉川、三軒茶屋の2か所に開設したほか、地域図書室への図書館情報システムの導入、世田谷図書館の月曜開館・開館時間の延長など、利用者の利便性の向上を図りました。 第1期行動計画での成果と課題を踏まえ、第2次図書館ビジョンの実現に向け、平成30年度から令和3年度までの4か年を計画期間とする第2期行動計画を策定し、各事業の推進に取り組んできました。 第2期行動計画では、ICタグ及び関連機器の導入を順次進めたほか、令和4年3月に図書館カウンター下北沢を開設するなど、図書館ネットワークの整備を推進しました。 また、図書館サービスの向上と効率的な運営を図るため、平成31年度から、梅丘図書館に一部業務委託を導入しました。また令和2年度には、学識経験者や公募区民等とともに、図書館サービスのあり方や運営体制などについて検討しました。 第2期行動計画期間中に発生した新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、図書館は長期に渡る臨時休館や一部業務休止、開館してからも閲覧席や滞在時間の制限、イベントの中止や参加人数の制限などを余儀なくされました。休館中の予約確保資料の貸出宅配サービスの実施や図書館ホームページを活用した情報発信、電子書籍サービスの開始などの非来館型サービスの充実や、感染症対策を徹底した施設利用やイベントの工夫などに取り組みましたが、休館中には、利用者からは図書館の開館や資料の貸出を求める数多くの声とともに、図書館が利用できなかったことで、改めて読書の大切さや生活に図書館が欠かせない施設であることを再認識したなどの思いも多く寄せられました。今後も、感染症対策の徹底や非来館型サービスの更なる充実とともに、緊急時でも安全を確保しつつ、利用者の思いに応えられる図書館をめざして運営していく必要があります。 第2期行動計画の基本方針(施策展開の柱)ごとの主な取組みの実績と課題は以下のとおりです。事業項目の多くは達成途中であり、その取組みや達成状況等を踏まえ、第2期行動計画で定めた事業項目の達成に向け、今後も継続して取り組んでいく必要があります。 基本方針1  0歳児からの読書を支える図書館 ○絵本ではぐくむ子育て支援事業の一環として、全館での赤ちゃんおはなし会の開催を継続して実施したほか、おすすめする赤ちゃん絵本コーナーの各館への設置を進め、乳幼児から絵本に親しむ機会を増やしました。 ○中高生を対象に、作家による講演会、絵本づくり講座等を実施しました。中高生は読書量や来館の機会が減る傾向があるため、読書への興味や図書館への来館を促すよう、今後も継続して事業を実施するとともに、親和性の高いと思われる電子書籍等の活用も含め、読書機会の拡大等について検討していかなければなりません。 ○配慮を要する子どもの読書推進のため、マルチメディアデイジー資料、LLブック等のバリアフリー資料の購入を進め、多くの館で「りんごの棚」「やさしい本のコーナー」などの専用コーナーを設置しました。 ○学校図書館運営体制の改善のため、学校図書館司書の配置を順次進め、令和元年度までにすべての小・中学校全90校への配置を行いました。開館時間の増大等により、利用者数、図書の貸出数も増え、利用が拡大しました。今後も、学校図書館と区立図書館との連携を進める方策について検討していく必要があります。 基本方針2  大人の学びを豊かにする図書館 ○障害者サービスを担う人材を育成するため、録音資料を作成する音訳ボランティア養成講座(初級)(中級)を継続して実施しました。また障害者の読書環境を拡充するため、視覚障害者情報総合ネットワーク(サピエ図書館)に加入しました。今後、サービス内容や周知方法を見直し、障害者サービスのより一層の充実を図っていく必要があります。 ○郷土資料館や世田谷文学館の企画展等と連携し、関連する収蔵品や図書館資料の展示を行ったほか、各区民センター運営協議会の主催行事への図書館資料の提供、生涯学習事業参加者への図書館ツアーの実施など、区の生涯学習事業との連携を進めました。 ○図書館利用者による学習活動発表会「学びのプレゼン」の新たな試みとして、図書館資料を参考にして制作した工作・折り紙等の作品展示、ワークショップを開催し作成した作品の発表・展示など、各事業の企画等を工夫し活性化を図りました。 ○区民の知識や経験を活かす機会を提供し、図書館活動への区民参画を促進するため、図書館ボランティアの活動内容の拡大について検討を進め、試行を実施しています。コロナ禍を踏まえた、安心してボランティア活動のできる環境づくりが課題です。 基本方針3  暮らしや仕事に役立つ図書館 ○図書館が有する資料や情報を有効に活用できるよう、図書館活用講座(入門編)(中級編)や情報検索講座を中央図書館と地域図書館数館で継続して開催しました。図書館活用講座では、都立図書館や区内資料館とも連携し、見学ツアーなども実施しました。またパスファインダー「世田谷の○○を調べる」も継続して発行し、利用者の調査・学習等の一助としました。 ○図書館ホームページに「図書館で調べる」「世田谷を知る」ページを設け、「レファレンス事例集」の定期的な公開などを継続して進めました。レファレンスサービスの認知度が、利用者アンケートでは3割程度と必ずしも多くないため、レファレンスサービス周知用のポスターやしおりを新たに作成し、各館で掲示・配布を行いました。これからもレファレンスサービスの周知に積極的に取り組んでいくことが重要です。 ○職員のレファレンス能力向上のため、図書館内での研修のほか、都立図書館から講師を招いたレファレンス研修を実施しました。今後も専門的な研修を継続してレベルアップを図るとともに、新規職員等のボトムアップのために、日常的な業務を行うなかでの能力向上方策を検討していく必要があります。 ○各館で実施しているテーマ展示は、季節の行事や時事的なテーマについて職員がセレクトした図書館資料を館内に展示するもので、利用者が新しい分野の資料を手に取るきっかけにもなっています。特に中央図書館などでは、区民の日々の暮らしや仕事、地域の課題解決を支援するため、「ユニバーサルデザイン」「認知症予防」など、区の政策・事業や地域の課題に関する展示にも、各担当部署と連携して取り組みました。 ○区の各所管課が政策の立案や事業を計画するに当たり、必要となる統計資料や他の自治体での事例などの資料調査・提供などを行う行政支援サービスを開始しました。これにより、各所管課での行政サービスがより効果的・効率的に実施され、区民サービスの向上につなげます。活用の拡大に向けた周知と効果的な提供方法等について、今後も検討を進めます。 基本方針4  世田谷の魅力を収集・発信する図書館 ○地域資料の更なる充実に向けて、区が発行する行政資料の網羅的な収集制度の確立について検討を進めました。膨大に発行される行政資料のうち収集・保存すべき資料の精査、収集した資料の効率的な整理・保存の方法など、デジタル技術の活用も含めた検討が課題です。 ○各地域のまちづくりセンターと連携して、区民団体の広報紙やあんしんすこやかセンターの情報などの地域に関する情報を広く収集し、専用コーナーを設けて、身近な地域の情報発信を進めました。今後も、地域の情報を収集・発信していくには、地域の行政サービス・まちづくりの拠点であるまちづくりセンターとの連携を進めていく必要があります。 ○平成30年3月から「世田谷区家庭読書の日」(毎月23日)に、読書についてのコラム(職員が執筆)の掲載や全館的なイベントの実施報告を掲載するなど、図書館ホームページを活用した情報発信を進めてきました。特にコロナ禍により完全休館となった際には、図書館ホームページ以外にはサービス提供の手段を失うこととなり、「本で旅をしよう!〜図書館員がオススメする本」と題したコラムを6回に渡り掲載し続け、図書館としての最低限の情報提供機能の継続を図りました。 ○区のおしらせ「せたがや」の1面での図書館特集や教育広報紙「せたがやの教育」をはじめ、区の他所管発行の情報誌や民間発行の情報誌等での図書館関連の情報掲載に努めたほか、地域との連携を生かし、町会・自治会等の広報紙や地区のミニコミ紙で掲載された図書館もありました。また、区のホームページ、教育委員会事務局ツイッター等のさまざまな媒体を活用して図書館からの積極的な情報発信を行いました。 ○コロナ禍での臨時休館で図書館サービスが提供できなかったことを踏まえ、また図書館に来館することが困難な方や障害者の読書環境を整備するため、非来館型サービスである電子書籍サービスを、令和2年11月から導入しました。利用の選択肢が増えたことで利用者サービスの向上に大きくつながりましたが、図書館での電子書籍貸出については、法令上や契約上での制約も大きく、魅力あるコンテンツの充実が課題であり、今後も電子書籍業界やサービス提供事業者など、著作権法改正等の動きも見据え、社会的動向を注視していく必要があります。 基本方針5  図書館ネットワークの構築 ○予約資料の貸出、返却、予約受付のほか、利用登録や簡易なレファレンスも受け付ける新たなサービスポイント「図書館カウンター」を二子玉川と三軒茶屋に続き、令和4年3月に、下北沢に開設しました。 ○利用者の利便性の向上をめざし、資料管理へのICタグ・自動貸出機等の関連機器類の導入を、平成29年度の世田谷・経堂の地域図書館2館の全蔵書へのICタグ貼付作業から始め、翌30年度には、区内で初めての自動貸出機の運用を2館で開始しました。その後、順次、各館の蔵書へのICタグ貼付・機器導入を進め、改築工事が延期となった梅丘図書館以外のすべての図書館・図書室の全蔵書へのICタグ貼付作業は令和3年度に終了し、令和4年度には梅丘図書館を除く全館で自動貸出機等の設置・運用が完了する予定です。 ○令和2年度からの改築工事を予定していた梅丘図書館は、コロナ禍を受けた区の事務事業等の緊急見直しなどにより、令和5年度改築工事開始、令和7年度竣工・開設と延期になりました。また施設からの教育センター機能移転(令和3年度)を見据え、大規模改修工事を伴う中央図書館の機能拡充の検討を進めてきましたが、区役所本庁舎整備に伴う仮執務室確保などのため、本格的な機能拡充については、令和9年度以降に延期となりました。ただし中央図書館の機能拡充については、喫緊の課題であり、現状で可能な機能拡充について、検討・実施を進めていかなければなりません。 ○区内の大学や学生団体と協力して、大学連携講座やおはなし会などのイベントの実施や町会・商店会との意見交換会や主催イベントへの参加、区内美術館・文学館等と連携しての資料展示など、各館で地域の教育機関や地域団体とのネットワークづくりを進めました。これらの活動を継続するとともに、一部の図書館だけでなく、より多くの館で実施することが必要です。 基本方針6  専門性と効率性を両立した運営体制の構築 ○図書館サービスの向上と効率的な運営を図るため、民間活用を推進し、平成31年度から梅丘図書館に一部業務委託を導入しました。また「世田谷区立図書館運営体制あり方検討委員会報告書」(後述)を踏まえた方針に基づき、経堂図書館に加え、烏山図書館と下馬図書館の2館へ、令和4年度からの指定管理者制度をモデル的に導入するための準備を進めました。また令和4年3月に新規に開設した図書館カウンター下北沢についても、二子玉川・三軒茶屋の図書館カウンターと同様に業務委託としました。 ○令和2年度に、学識経験者や公募区民からなる「世田谷区立図書館運営体制あり方検討委員会」を組織し、図書館サービスのあり方や運営体制などについて検討し、報告書がとりまとめられました。報告書を踏まえた方針では、@中央図書館のマネジメント機能強化A民間活用B(仮称)図書館運営協議会の設置、の3つを取組みの柱とし、それぞれに取り組みました。今後も、方針に基づき、3つの柱の実現に向け、継続して取り組んでいかなければなりません。 ○区民のニーズや利用者の動向を把握し、より良い図書館サービスの実現をめざすため、図書館アンケート調査を平成28年度から毎年実施し、その結果を図書館ホームページ等で公開しています。令和2年度は平成29年度以来3年振りに郵送による調査も実施したほか、コロナ禍を踏まえ、従来の館内での調査票配布に加え、WEBでの回答を可能にするなど、調査・回答方法を工夫して実施しました。毎年実施することにより、利用状況・要望等の推移が把握できるため、今後も継続して実施し、アンケート調査結果を十分に参考にして、計画を策定し推進していく必要があります。 第2章 第3期行動計画 1 第3期行動計画の位置づけと計画期間 第3期行動計画は、第2期行動計画に引き続き、第2次図書館ビジョンの実現に向けた具体的な方策を示すものです。第2期行動計画の取組みや達成状況等を踏まえるとともに、第2期行動計画策定後に制定・施行された「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(以下「読書バリアフリー法」)、国や東京都の子ども読書活動に関する計画の改定、新型コロナウイルス感染症の拡大などの社会状況の変化や「世田谷区立図書館運営体制あり方検討委員会報告書」を踏まえた方針等に基づき、新たな事業項目及び年次別計画を定めました。 また第3期行動計画策定にあたっては、第2次図書館ビジョンで定めた施策の方向性、取組項目を一部見直すなど、令和6年度からの次期計画策定に向けての準備計画とも位置付けられます。 なお第3期行動計画の計画期間は、「第2次世田谷区教育ビジョン調整計画」及び「世田谷区 未来つながるプラン(実施計画)」の期間と整合を図るため、令和4年度から5年度の2か年として策定しました。 2 第3期行動計画の重点プロジェクト 第3期行動計画の2年間では、第2次図書館ビジョンの6つの基本方針や取組項目を踏まえるとともに、「世田谷区立図書館運営体制あり方検討委員会報告書」に基づく3つの取組みの柱の方針等も踏まえ、中央図書館のマネジメント機能を強化し、(仮称)図書館運営協議会への区民参画を進め、図書館の公共性と専門性を維持しながら民間を活用した運営体制等の構築をめざします。 第3期行動計画において特に重点的に推進する4つの重点プロジェクトと1つの視点を定め、第3期行動計画の2年間に力点を置いて、横断的に取組みます。 重点プロジェクト 1 誰もが安心して利用し続けられる図書館 コロナ禍での臨時休館等の経験を踏まえた図書館サービスの継続手法について検討するとともに、誰もが安心して利用できる図書館をめざします。電子書籍サービス等の非来館型のサービスを充実するとともに、すべてをデジタル化するのではなく、「交流」や「場」としての図書館を安心して利用できるような対策も検討・実施します。 ? 非来館型サービスの充実 ? 快適で安全な図書館環境の推進 ? 障害者・高齢者・多文化サービスの充実 ? 利用者がつながり交流を生む事業の検討・実施 重点プロジェクト 2 図書館の公共性の維持と基本的機能の拡充 区民の知る自由を保障し、区立図書館としての公共性や専門性を維持するため、人材確保や組織体制の整備等の中央図書館のマネジメント機能の強化等により、図書館の基本的な機能である資料収集・提供やレファレンス機能を充実します。また民間活用館を含めた区立図書館全体の運営やサービスを客観的に評価する(仮称)図書館運営協議会の設置・運用を進め、図書館運営への区民参画を図ります。 ? 運営体制の方針に基づく地域図書館への民間活用の推進・検証 ? レファレンスサービスの充実 ? レファレンスサービスの利用促進 ? 資料・情報の充実 ? 図書館運営への区民参画の検討 ? 中央図書館のマネジメント機能の充実 ? 職員の人材育成計画の運用 ? (仮称)図書館運営協議会による事業の実施状況や運営状況の評価・公表 重点プロジェクト 3 子どもの発達段階に応じた読書機会の提供による読書習慣の継続 乳幼児から小学生・中高生までの、それぞれの発達段階に応じた読書に興味・関心を惹く講演会やビブリオバトル、図書館体験等の事業・取組みを実施することにより、早期に読書の習慣を身に付けるとともに、その継続を図ります。 ? 子どもの発達段階に応じた読書推進事業の充実(絵本ではぐくむ子育て支援事業)(小学生の読書推進事業)(中高生の読書推進事業) ? 中央図書館を活用した若い世代を対象とした機能整備の検討・実施 ? 配慮を要する子どものための資料の充実 ? 多言語対応や多文化理解に対応した資料の充実 ? 子ども読書リーダーや読書活動に関わる中高生等の育成 重点プロジェクト 4 ICTの活用によるサービス向上とDXの検討 図書館情報システム更新やホームページ機能向上等のICTの活用により、利用者の利便性の向上や業務の効率化による図書館サービスの向上を図るとともに、ICタグの活用等により、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展にも備えた検討も進めます。 ? 地域資料の電子化の推進及び電子資料の公開方法等利活用の検討 ? 電子書籍の充実 ? 図書館情報システム及びホームページの機能向上 ? ICタグ及び関連機器の全館導入 ≪ 視  点 ≫ SDGsの支援 「誰一人取り残さない」 SDGs(持続可能な開発目標)は、平成27年の国連サミットで採択された国際目標で、持続可能な社会を目指すための17のゴール(目標)から構成されています。国内でも、国や都、世田谷区などの地方自治体をはじめ、民間企業や教育機関、各種団体等において、SDGsの実現に向けた様々な取組みが行われています。 図書館でもSDGsの視点を持ち、ゴールC「質の高い教育をみんなに」を中心に、すべてのゴールについての資料や情報を区民に提供することにより、SDGsの実現に繋げます。 3 第3期行動計画の施策体系と事業項目 基本方針 1.0歳児からの読書を支える図書館 施策の方向性 (1)子どもが本に出会う機会をつくる 取組項目 @図書館による子どもの読書を支援する取組みの拡充 事業項目 絵本ではぐくむ子育て支援事業の充実        小学生の読書推進事業の充実 中高生の読書推進事業の充実【一部新規】 A地域・民間団体と協働した子どもの読書を支援する取組みの推進 事業項目 家庭での読書推進事業の充実 地域と連携した事業や子ども関連施設の読書活動への支援の推進 施策の方向性 (2)子どもサービスの拠点をつくる 取組項目 @子どもサービスの推進に向けた図書資料等の充実 事業項目 児童資料、中高生向き資料の充実 【一部新規】 配慮を要する子どものための資料の充実 多言語対応や多文化理解に対応した資料の充実 中央図書館の機能・施設規模・設備の拡充・検討(子ども図書館機能)【一部新規】 A子どもの読書活動に関わる人材の育成 事業項目 おはなし会ボランティア講座の実施 子ども読書リーダーや読書活動に関わる中高生等の育成 【一部新規】 子どもサービスに関する専門性を持った職員の育成 施策の方向性 (3)充実した学校図書館づくりを支援する 取組項目 @学校図書館に関わる人材の育成 事業項目 学校図書館の運営体制の充実 A地域との連携を深める取組みの推進 事業項目 学校図書館の地域利用の充実 PTA、ボランティアとの連携の推進 B学校図書館に対する支援と体制の確立 事業項目 区立図書館との連携の推進 基本方針 2.大人の学びを豊かにする図書館 施策の方向性 (1)多様な学びの機会をつくる 取組項目 @図書資料等の充実と区民と情報をつなぐサービスの推進 事業項目 資料・情報の充実 【一部新規】 非来館型サービスの充実 【新規】 快適で安全な図書館環境の推進 【新規】 A主体的な学びを促す事業の実施 事業項目 図書館利用の契機となる様々な分野の事業の検討・実施 B多様な利用者へのサービスの充実【新規】 事業項目 障害者サービスの充実 【新規】 高齢者サービスの充実 【新規】 多文化・多言語サービスの充実 【新規】 施策の方向性 (2)お互いに学びあう機会をつくる 取組項目 @知識や情報を共有する事業の実施 事業項目 知識や情報を共有する事業の検討・実施 A学習成果の発信 事業項目 利用者による「学習活動発表会」の実施 施策の方向性 (3)地域で学びを活かす人材を育てる 取組項目 @読書や情報に関わるボランティアの育成 事業項目 ボランティア講座等の実施及び修了者の活動支援 Aボランティア活動等区民参画の促進 事業項目 ボランティア活動の拡充検討 図書館運営への区民参画の検討 【新規】 基本方針 3.暮らしや仕事に役立つ図書館 施策の方向性 (1)区民の悩みや課題の解決を助ける 取組項目 @課題解決支援のためのサービスの拡充 事業項目 レファレンスサービスの充実 【一部新規】 レファレンスサービスの利用促進 【一部新規】 相談事業との連携 テーマ本展示の拡充 A地域文化活動を支援するレファレンス等の検討 事業項目 区の他機関の発行する資料の収集・提供 施策の方向性 (2)人が集い、つながりを生む場づくり 取組項目 @利用者同士の交流を促す事業の実施 事業項目 利用者がつながり交流を生む事業の検討・実施 A人が集うためのスペースの充実 事業項目 交流スペースの設置・拡充検討 施策の方向性 (3)地域で活動する団体との関係を築く 取組項目 @地域で活動する機関・団体との積極的な連携の推進 事業項目 町会、商店街等の地域団体との連携 A本を用いた地域文化活動に対する支援の推進 事業項目 書店・出版社等との連携事業の検討 基本方針 4.世田谷の魅力を収集・発信する図書館 施策の方向性 (1)世田谷の地域活動の情報を集める 取組項目 @地域文化、まちづくり等の区民活動に関する資料の収集 事業項目 区民活動に関する資料の収集 A他機関と連携した資料情報の集約 事業項目 区の他機関の発行する資料の収集・提供 【再掲】 施策の方向性 (2)世田谷の魅力を広く伝える 取組項目 @図書館の取組みに関する情報発信 事業項目 図書館サービス・事業の広報活動の充実 A世田谷の魅力(世田谷らしさ)の発信 事業項目 地域特性を踏まえた資料収集や事業及び情報発信の充実 施策の方向性 (3)新しいメディアでの資料収集・公開を進める 取組項目 @資料の電子化と公開に向けた検討 事業項目 地域資料の電子化の推進及び電子資料の公開方法等利活用の検討 行政資料の体系的収集方法の確立 A電子的な資料の収集・公開に関する検討 事業項目 電子書籍の充実 【新規】 基本方針 5.図書館ネットワークの構築 施策の方向性 (1)図書館ネットワークを整備する 取組項目 @図書館・図書館カウンターの機能の充実 事業項目 図書館カウンターの評価・検証 【一部新規】 A情報システム及び設備・施設上の整備の推進 事業項目 改築・改修の推進 図書館情報システム及びホームページの機能向上 【一部新規】 ICタグ及び関連機器の全館導入 施策の方向性 (2)中央図書館の機能を拡充する 取組項目 @中枢機関としての機能の充実 事業項目 中央図書館の機能・施設規模・設備の拡充・検討 中央図書館のマネジメント機能の充実 【新規】 A子どもサービス拠点としての機能の充実 事業項目 中央図書館の機能・施設規模・設備の拡充・検討(子ども図書館機能) 【一部新規】 【再掲】 施策の方向性 (3)世田谷の教育・文化機関と連携する 取組項目 @区の教育機関・文化施設等との連携の拡充 事業項目 区の他機関や大学・大学図書館等との連携の拡充 A町会・自治会や商店街等民間団体との連携の推進 事業項目 町会、商店街等の地域団体との連携【再掲】 B本や読書に関する区民団体との連携の推進 事業項目 書店・出版社等との連携事業の検討【再掲】 基本方針 6.専門性と効率性を両立した運営体制の構築 施策の方向性 (1)民間活用を計画的に導入する【修正】 取組項目 @ネットワークの中心となる中央図書館の運営体制の検討 事業項目 中央図書館のマネジメント機能の充実【新規】【再掲】 職員の人材育成計画の運用 【新規】 Aニーズに応じた多様な運営体制の検証・構築 事業項目 運営体制の方針に基づく地域図書館への民間活用の推進・検証 施策の方向性 (2)職員に必要なスキルと専門知識の向上を図る 取組項目 @職員の専門性向上に向けた取組みの強化 事業項目 職員の人材育成計画の運用 【新規】【再掲】 施策の方向性 (3)事業・運営の指針・目標を示す 取組項目 @定期的な事業の実施状況や運営状況の評価 事業項目 (仮称)図書館運営協議会による事業の実施状況や運営状況の評価・公表 【新規】 定期的なニーズ調査・満足度調査の実施 A評価への利用者の視点の取り込み 事業項目 評価・調査等を踏まえた改善策の作成・実施 4 第3期行動計画事業項目・年次計画 基本方針 1.0歳児からの読書を支える図書館 施策の方向性 (1)子どもが本に出会う機会をつくる 取組項目 @図書館による子どもの読書を支援する取組みの拡充 乳幼児から小学生、中高生、そして大人へと読書や学びの習慣が続くよう、子どもの成長段階に応じた切れ目のない読書支援を行います。読書量の減少する傾向のある中高生世代には、読書への興味関心を惹くような講演会やビブリオバトル、図書館体験等の事業を実施するとともに、事業の効果的な周知方法等についても検討・実施します。また、中央図書館を活用した若い世代を対象とした図書館サービス機能検討・整備を進めます。 事業項目 絵本ではぐくむ子育て支援事業の充実 令和4・5年度の取組み ・赤ちゃんおはなし会等の充実 ・絵本・わらべうた講座等の乳幼児向け事業の拡充 ・はじめて出会う絵本事業等の検討・拡充        事業項目 小学生の読書推進事業の充実 令和4・5年度の取組み ・出張ブックトークの検討・実施 ・調べる力を養う事業の検討・実施 事業項目 中高生の読書推進事業の充実【一部新規】 令和4・5年度の取組み ・中高生向け事業(講演会、ビブリオバトル、図書館体験等)の事業及び周知の充実検討 ・若い世代を対象とした図書館サービス機能(整備)の検討・実施 A地域・民間団体と協働した子どもの読書を支援する取組みの推進 事業項目 家庭での読書推進事業の充実 令和4・5年度の取組み ・「子ども読書の日」「家庭読書の日」「読書週間」等での家庭読書の契機となる事業の充実検討 事業項目 地域と連携した事業や子ども関連施設の読書活動への支援の推進 令和4・5年度の取組み ・子ども読書活動推進フォーラムの充実検討 ・出張おはなし会、読書相談会等の充実検討 ・保育園・幼稚園・児童館等への相談・支援機能、団体貸出の充実検討 施策の方向性 (2)子どもサービスの拠点をつくる 取組項目 @子どもサービスの推進に向けた図書資料等の充実 子どもの読書活動を支援する取組みや地域などへの支援を行うため、継続して、絵本、児童資料、ヤングアダルト資料の収集に努めるほか、絵本・児童資料については、ロングセラーなどの基本図書の充実などを計画的に進めるための蔵書構築についても検討を進めます。視覚障害など配慮を要する子どもの読書のため、布絵本やマルチメディアデイジー、録音図書、大活字本、LLブックなども充実を図ります。また「中央図書館機能拡充基本構想報告書」をもとにとりまとめた機能拡充の方向性を見据え、教育センター機能移転後の施設活用における中央図書館子ども図書館機能についても検討を進めるとともに、若い世代を対象とした図書館サービス機能の整備を検討・実施します。 事業項目 児童資料、中高生向き資料の充実 【一部新規】 令和4・5年度の取組み ・基本図書の充実(方策の検討)及び蔵書構築計画の検討 ・中高生向き資料(電子書籍含む)の収集の充実 事業項目 配慮を要する子どものための資料の充実 令和4・5年度の取組み ・布絵本、マルチメディアデイジー、録音図書、大活字本、LLブック等の充実 事業項目 多言語対応や多文化理解に対応した資料の充実 令和4・5年度の取組み ・多言語おはなし会など、多言語に親しむ事業の充実・検討、資料等の充実 ・外国語絵本等の充実 事業項目 中央図書館の機能・施設規模・設備の拡充・検討(子ども図書館機能)【一部新規】 令和4・5年度の取組み ・子ども図書館機能の検討 ・若い世代を対象とした図書館サービス機能(整備)の検討・実施 A子どもの読書活動に関わる人材の育成 子どもの読書活動や読み聞かせなどに関心のある区民と協力して事業を進めるため、おはなし会ボランティア講座や子ども読書リーダー(子ども司書)講座などを継続して実施します。子ども読書リーダー講座の修了者へのフォローアップや、中高生の図書館ボランティア体験などについても実施します。また、子どもの読書活動に関わる人材を育成し、活動を支援するため、子どもサービスに関する職員の専門性を高めます。 事業項目 おはなし会ボランティア講座の実施 令和4・5年度の取組み ・おはなし会ボランティア講座の実施 事業項目 子ども読書リーダーや読書活動に関わる中高生等の育成 【一部新規】 令和4・5年度の取組み ・子ども読書リーダー講座の継続実施、フォローアップ研修の検討・実施 ・中高生の図書館ボランティア体験の検討・実施 事業項目 子どもサービスに関する専門性を持った職員の育成 令和4・5年度の取組み ・担当者研修の充実、外部の専門研修への参加拡充検討 施策の方向性 (3)充実した学校図書館づくりを支援する 取組項目 @学校図書館に関わる人材の育成 学校図書館の運営体制を充実させるため、学校図書館司書の全校への配置を継続して実施します。学校図書館司書を活用し、更なる学校図書館と区立図書館の連携強化を検討していきます。 事業項目 学校図書館の運営体制の充実 令和4・5年度の取組み ・学校図書館司書業務委託の継続 A地域との連携を深める取組みの推進 学校は、子どもたちの学習の場であることを基本としつつ、地域との連携を深める取組みを推進する場としての活用を図ります。近隣の幼稚園、保育園等を通じて就学前の幼児とその保護者に呼びかけ、読み聞かせへの参加や学校図書館の利用を促し、地域への開放を図っていきます。 事業項目 学校図書館の地域利用の充実 令和4・5年度の取組み ・就学前幼児等への学校図書館開放の充実 事業項目 PTA、ボランティアとの連携の推進 令和4・5年度の取組み ・読み聞かせ、ブックトーク等の実施 B学校図書館に対する支援と体制の確立 学校図書館の充実に向け、区立図書館の豊富な図書資料等や選書などのスキルを有効に活用することが求められます。学級文庫のための団体貸出や調べ学習用の資料提供といった支援の充実のほか、区立図書館と学校図書館司書等との交流会の開催等による情報交換、選書のための資料情報提供や学校向けのレファレンスなども充実を図ります。 事業項目 区立図書館との連携の推進 令和4・5年度の取組み ・団体貸出、調べ学習資料・資料情報提供の充実 ・レファレンスの支援の充実検討 基本方針 2.大人の学びを豊かにする図書館 施策の方向性 (1)多様な学びの機会をつくる 取組項目 @図書資料等の充実と区民と情報をつなぐサービスの推進 毎年実施している来館者アンケートでも、利用者からの要望が最も多いのは蔵書・資料の充実です。図書館サービスの根幹をなす図書資料等の充実に継続して取り組むとともに、現状の蔵書構成等を評価・分析し、将来を見据えた蔵書構築について検討を進めます。 コロナ禍での臨時休館等を教訓に、図書館利用登録などの来館を前提とした現行サービスの運用の見直しや、令和2年度に導入した電子書籍サービス等の新たな非来館型サービスを検討・拡充します。ただし、すべてを非来館・デジタル化するのではなく、「交流」や「場」としての図書館を安心して利用できるように、新型コロナウイルス対策の徹底などの管理・運用面での対策も検 事業項目 資料・情報の充実 【一部新規】 令和4・5年度の取組み ・図書館資料の充実 ・蔵書構築計画の検討 事業項目 非来館型サービスの充実 【新規】 令和4・5年度の取組み ・非来館型サービスの検討・拡充 事業項目 快適で安全な図書館環境の推進 【新規】 令和4・5年度の取組み ・感染症対策等を踏まえた管理・運営の推進 A主体的な学びを促す事業の実施 図書館のロビー等を会場とした音楽会や多彩なテーマの講演会等の事業を行い、これまで図書館に来る機会の少なかった区民の図書館利用へのきっかけづくりを図ります。また、図書館の図書資料等を活用した主体的な学びを促すことを目的として、資料の探し方や調べ方、様々なテーマでの講演・講座などの図書館活用講座等の実施を通じて、テーマに関連する資料を手に取り、学びを広げる機会を提供します。 事業項目 図書館利用の契機となる様々な分野の事業の検討・実施 令和4・5年度の取組み ・図書館活用講座・情報検索講座等の充実 ・講演会、コンサート、落語等の多彩な事業の実施 B多様な利用者へのサービスの充実【新規】 図書館は年齢や国籍、言語、障害の有無等に関わらず、誰にでも開かれた施設であり、図書館利用に障害のある利用者への読書・学習環境を整備する必要があります。読書バリアフリー法の趣旨を踏まえ、点字図書館やサピエ図書館などと連携し、視覚障害者等が利用しやすい書籍等の提供の充実を図るとともに、資料検索や周知方法にも配慮し、障害者が利用しやすいサービスを拡充します。また、高齢者のいきがい支援や認知症にもやさしいサービス、日本語を母国語としない利用者へのサービスを検討し充実していきます。 事業項目 障害者サービスの充実 【新規】 令和4・5年度の取組み ・点字図書館やサピエ図書館などと連携し、視覚障害者等が利用しやすい書籍等の提供の充実 ・音訳者養成講座の実施 ・点字や音訳などのボランティアへの支援の充実 ・障害のある利用者に配慮した周知 事業項目 高齢者サービスの充実 【新規】 令和4・5年度の取組み ・高齢者向け講座や交流事業等の充実 ・高齢者にやさしい図書館サービスの検討 事業項目 多文化・多言語サービスの充実 【新規】 令和4・5年度の取組み ・多言語資料(電子書籍含む)、やさしい日本語で書かれた資料(LLブック含む)の充実 ・やさしい日本語による案内等の作成 施策の方向性 (2)お互いに学びあう機会をつくる 取組項目 @知識や情報を共有する事業の実施 図書館を利用して研究や活動を行う区民が、お互いの活動や知識を共有したり、お互いに学びあえる機会を作ることを支援していきます。小・中・高校生を対象に実施しているビブリオバトルを大人でも実施することなどにより、知識や情報を共有し、興味や関心を広げていくことを促進します。 事業項目 知識や情報を共有する事業の検討・実施 令和4・5年度の取組み ・大人ビブリオバトル等の検討・実施 A学習成果の発信 図書館を利用した学習成果の発信機会として、「学習活動発表会」を実施します。壇上からの講義形式での発表だけでなく、工作物や作品の展示・上演など、幅広く学習成果が発信できるよう工夫することにより、区民の図書館における学習成果を広め、関心を共有する区民のさらなる参画を促すことをめざします。 事業項目 利用者による「学習活動発表会」の実施 令和4・5年度の取組み ・「学びのプレゼン(学習活動発表会)」の実施 施策の方向性 (3)地域で学びを活かす人材を育てる 取組項目 @読書や情報に関わるボランティアの育成 子どもの読書活動に関わるボランティアや、障害者のための録音図書を作製するボランティアの育成を図ります。ボランティア育成のための講座を継続して実施し、各々の活動の広がりを支援していきます。 事業項目 ボランティア講座等の実施及び修了者の活動支援 令和4・5年度の取組み ・おはなし会ボランティア講座・音訳者養成講座の実施 Aボランティア活動等区民参画の促進 現在、図書館におけるボランティア活動は、子どもや障害者に対するサービスなどを中心に行われています。さらにボランティアが活動できる範囲を拡大し、より多くの区民が知識や経験を生かして、図書館の活動へ参画できるような取組みを推進します。 また、図書館運営へ利用者の視点を取り入れるため、利用者やボランティア、学識経験者等からなる(仮称)図書館運営協議会を設置・運用し、図書館運営への区民参画を促進します。 事業項目 ボランティア活動の拡充検討 令和4・5年度の取組み ・ボランティア活動の拡充検討・実施 事業項目 図書館運営への区民参画の検討 【新規】 令和4・5年度の取組み ・(仮称)図書館運営協議会の設置・運用 基本方針 3.暮らしや仕事に役立つ図書館 施策の方向性 (1)区民の悩みや課題の解決を助ける 取組項目 @課題解決支援のためのサービスの拡充 図書館のレファレンスは、日々の暮らしや健康、仕事、さらには地域の課題などに対して有効な図書資料等や情報を提供するもので、図書館の重要な機能です。職員のレファレンス能力の向上に向けて研修の充実を図るほか、専門性を有した人材確保にも取り組みます。また専門的なレファレンスについては、中央図書館による地域図書館等への支援体制を整備するため、専門的で多様な調べものに対応できるコレクションづくりや商用データベースの更なる充実、国立国会図書館レファレンス協同データベースへの参加・活用を図るなど、情報収集体制を強化します。さらに、来館者からの質問の中で難易度が高い案件については、オンラインにより中央図書館で対応して地域図書館を支援する仕組みを順次整備していきます。 特に世田谷区に関するレファレンスについては、地域資料や行政資料を積極的に収集・活用する体制を整え、区職員としての行政経験を生かして対応するとともに、区の政策立案や行政サービス検討等に伴う、庁内各所管課からのレファレンスなどの行政支援サービスも充実させていきます。 また、レファレンスの取組みを広く区民へ周知するため、レファレンスの有用性や情報検索や調査のための方法を、パスファインダーの発行やレファレンス事例の公開、WEBレファレンスの拡充などにより積極的に周知するとともに、図書館を有効活用するための講座等を拡充していきます。また多角的な利用者の課題解決支援に向けて、起業・消費生活・健康・認知症・労働環境等の様々な相談を行っている部署と連携した相談会の実施等に取り組みます。 事業項目 レファレンスサービスの充実 【一部新規】 令和4・5年度の取組み ・職員のレファレンス能力の向上(研修の充実検討)及び専門人材の活用検討 ・レファレンスツールの充実(レファレンス資料・商用データベース等の充実、レファレンス協同データベースの活用)、地域図書館へのレファレンス支援の拡充(オンライン環境整備検討) ・行政支援サービスの充実 事業項目 レファレンスサービスの利用促進 【一部新規】 令和4・5年度の取組み ・図書館活用講座・情報検索講座等の充実 ・パスファインダーの発行やWEBレファレンスの拡充等によるレファレンスサービスの積極的な周知実施 事業項目 相談事業との連携 令和4・5年度の取組み ・区の各種相談事業との連携の強化検討 事業項目 テーマ本展示の拡充 令和4・5年度の取組み ・区の政策・事業や地域の課題等に関する展示・事業 A地域文化活動を支援するレファレンス等の検討 個人にかぎらず、区内で活動するNPOやボランティアなどに対して、区の他機関等が有している、地域や文化活動に資する情報や資料を収集し、その提供を進めます。さらに、それらの収集した資料や情報をレファレンスなどにも効果的に活用することで、地域の文化活動など、様々な活動を支援することをめざします。 事業項目 区の他機関の発行する資料の収集・提供 令和4・5年度の取組み ・資料収集の継続実施・拡充検討 ・資料情報の集約・提供 施策の方向性 (2)人が集い、つながりを生む場づくり 取組項目 @利用者同士の交流を促す事業の実施 地域の社会資源としての図書館には、多世代の様々な利用者が多く集まります。図書館という場を共有する利用者が、個々に本を借りて読むことにとどまらず、人がつながり交流が生まれる場づくりを工夫します。既存の講演・講習会等の終了後に歓談できる場を設けることや、交流そのものを楽しむ事業を実施するなど、お互いに交流を深めるきっかけとなる事業を実施します。 事業項目 利用者がつながり交流を生む事業の検討・実施 令和4・5年度の取組み ・利用者参加型や交流型事業の検討・実施 A人が集うためのスペースの充実 今後の図書館のあり方のひとつとして、感染症対策等を踏まえたうえで、図書館内に人が集うためのスペースの設置や既存設備の効率的な利用による活用方策などを検討します。区民ニーズが多様化する中、居場所としての図書館が求められていることを踏まえ、今後の改修・改築等の機会を捉え、くつろぎの場や居心地の良さ、快適性を向上することをめざします。 事業項目 交流スペースの設置・拡充検討 令和4・5年度の取組み ・施設の改修・改築等にあわせ検討・実施 ・既存スペース・設備の効率的活用手法の検討・実施 施策の方向性 (3)地域で活動する団体との関係を築く 取組項目 @地域で活動する機関・団体との積極的な連携の推進 図書館の図書資料等を活かした事業を、総合支所等と連携して地域で様々に行われているまつりやイベントの中で実施することにより、区民が日常的に集う場で知識や情報に触れる機会を提供します。また、町会・自治会や商店街などとも連携し、図書館の団体貸出などを活用して、図書館外でも本に触れることのできる機会の確保に地域団体などが取組むことを支援します。 事業項目 町会、商店街等の地域団体との連携 令和4・5年度の取組み ・地域団体と連携した事業の検討・実施 A本を用いた地域文化活動に対する支援の推進 地域文庫活動やおはなし会、読書会などを実施するNPOやボランティア、区民サークルなどに対して、団体貸出として本を提供することにより、その活動の支援と活性化を図ります。また、区内の書店や出版社とも連携を図ることにより、地域の文字・活字・出版文化を維持するとともに、本を介したコミュニティの輪を広げる支援を行います。 事業項目 書店・出版社等との連携事業の検討 令和4・5年度の取組み ・連携した事業や周知・啓発・支援活動の検討 基本方針 4.世田谷の魅力を収集・発信する図書館 施策の方向性 (1)世田谷の地域活動の情報を集める 取組項目 @地域文化、まちづくり等の区民活動に関する資料の収集 地域図書館は、地域・地区の歴史を伝承するための拠点であるとともに、人が集い新しい学びを創造する場としての賑わいや居場所などの役割を併せ持ち、地区の文化の醸成を担う「知」の拠点として、地域とともに成長していく図書館といえます。 地域や地区では、まちづくりをはじめ、子育てや郷土史研究など、様々な区民活動が取組まれています。それらの区民活動の成果や活動記録等の資料が発行されている場合には、「知」の拠点である地域図書館が中心となり、総合支所やまちづくりセンター、区民センターと連携して、団体や個人に働きかけ、資料の収集に努めます。また地域の「知」の集積である収集資料等を活用した情報発信を通じ、地域コミュニティの醸成などにつなげていきます。 事業項目 区民活動に関する資料の収集 令和4・5年度の取組み ・資料収集の検討・実施 A他機関と連携した資料情報の集約 様々な事業を実施する区内の各種文化芸術施設や区の他機関等とも連携して資料の収集にあたるほか、それぞれの機関が保有する資料の情報を区立図書館で集約・提供する方策について検討します。 事業項目 区の他機関の発行する資料の収集・提供 【再掲】 令和4・5年度の取組み ・資料収集の継続実施・拡充検討 ・資料情報の集約・提供 施策の方向性 (2)世田谷の魅力を広く伝える 取組項目 @図書館の取組みに関する情報発信 中央図書館や地域図書館では、区民に有用な様々な取組みや事業を行っていますが、その認知度は必ずしも高くはありません。全館的な広報の充実方策の検討を進めるとともに、広報誌、インターネットや電子的な媒体を活用して積極的な情報発信・周知を図ります。 特に地域図書館では、図書館の情報に加え、地域情報を積極的に発信し、地域における図書館の存在や利用価値について改めて認識されるよう努めます。 事業項目 図書館サービス・事業の広報活動の充実 令和4・5年度の取組み ・広報紙等の充実検討 ・図書館ホームページや区ホームページ、区立小・中学校保護者等への情報配信サービス等での情報発信の充実検討・実施 A世田谷の魅力(世田谷らしさ)の発信 第1次図書館ビジョンから、中央図書館や地域図書館ごとに、館の立地特性や周辺地域の特性を活かしたテーマを決め、関連資料の収集や展示コーナーの設置、テーマに関連した講演会等の事業を実施してきました。当初のテーマを決めてから、既に10年以上が経過し、社会状況や区民ニーズの変化、周辺地域の状況も変わったことから、テーマの再検討を進めます。検討に当たっては、地域・地区の文化や歴史、地域で活動している機関・団体等との連携も視野に入れ、地区の文化や歴史の「知」の拠点としての図書館をめざします。 事業項目 地域特性を踏まえた資料収集や事業及び情報発信の充実 令和4・5年度の取組み ・各図書館の地域特性資料の充実 ・各図書館の地域特性コーナーや地域特性に関連した講演会等の事業及び情報発信の充実 ・地域特性テーマの再検討 施策の方向性 (3)新しいメディアでの資料収集・公開を進める 取組項目 @資料の電子化と公開に向けた検討 地域文化やまちづくりなどの区民活動の記録をまとめた資料は、発行部数が少なく、貴重なものが少なくありません。また、区が発行する行政資料についても収集・提供・保存していくことが必要です。それらの収集した資料を電子化することにより、適切に保存しつつ、ホームページ等で広く公開していく方法を検討します。特に区が発行する行政資料については、区立図書館の責務として、電子的資料も含め、体系的に収集・提供・保存していく方策について検討・実施します。 事業項目 地域資料の電子化の推進及び電子資料の公開方法等利活用の検討 令和4・5年度の取組み ・電子化の推進 ・電子資料のホームページでの公開の推進 事業項目 行政資料の体系的収集方法の確立 令和4・5年度の取組み ・収集方法の検討 A電子的な資料の収集・公開に関する検討 コロナ禍での臨時休館で図書館サービスが提供できなかったことを踏まえ、また図書館に来館することが困難な方や障害者の読書環境を整備するため、電子書籍サービスを、令和2年11月から導入しました。今後も魅力あるコンテンツの充実に向けて取り組みます。その際、法令上や契約上での制約等が課題であるので、引き続き電子書籍業界やサービス提供事業者、また著作権法改正等の動きも見据え、社会的動向を注視していきます。 事業項目 電子書籍の充実 【新規】 令和4・5年度の取組み ・電子書籍の充実 ・電子書籍の収集基準等の検討 基本方針 5.図書館ネットワークの構築 施策の方向性 (1)図書館ネットワークを整備する 取組項目 @図書館・図書館カウンターの機能の充実 令和4年3月に、資料の予約や貸出・返却を中心としたサービスを行う図書館カウンターを、二子玉川・三軒茶屋に続き下北沢に開設しました。広域生活・文化拠点(二子玉川・三軒茶屋・下北沢)に設置した図書館カウンターの利用状況等を評価・検証し、今後の図書館カウンターのあり方を検討していきます。また、利用者要望の高いブックポスト等の返却場所の増設について、調査・検討を進めます。 事業項目 図書館カウンターの評価・検証 【一部新規】 令和4・5年度の取組み ・図書館カウンターの評価・検証 ・ブックポスト等の新たなサービススポットの検討 A情報システム及び設備・施設上の整備の推進 自動貸出機の設置などにより、貸出の際の時間短縮やプライバシー保護などの利用者の利便性向上、蔵書点検時間短縮による資料管理の効率化等を目的に、全図書館施設へのICタグ及び関連機器の導入を進めるとともに、DX(デジタルトランスフォーメーション)の動きを踏まえ、カウンターを通らずに予約資料を受け取れる予約資料受取棚の導入等、ICタグのより一層の効果的な活用方法について検討します。また、図書館情報システムのリプレイスに向け、利用者の利便性向上やホームページの機能向上に取り組みます。 事業項目 改築・改修の推進 令和4・5年度の取組み ・梅丘図書館改築(令和5〜7年度)、池尻図書室改修(令和5年度) 事業項目 図書館情報システム及びホームページの機能向上 【一部新規】 令和4・5年度の取組み ・図書館情報システムリプレイスに向けた検討・実施 事業項目 ICタグ及び関連機器の全館導入 令和4・5年度の取組み ・梅丘図書館への導入(令和7年度) ・ICタグの活用方策検討、自動貸出機利用率向上 施策の方向性 (2)中央図書館の機能を拡充する 取組項目 @中枢機関としての機能の充実 「中央図書館機能拡充基本構想報告書」をもとにとりまとめた機能拡充の方向性を見据え、また、「世田谷区立図書館運営体制あり方検討委員会」からの報告を踏まえ、中央図書館機能の拡充について検討を進め取り組みます。 事業項目 中央図書館の機能・施設規模・設備の拡充・検討 令和4・5年度の取組み ・プラネタリウムの活用など、教育センター機能移転後の施設活用の検討・実施 事業項目 中央図書館のマネジメント機能の充実 【新規】 令和4・5年度の取組み ・人材確保と組織体制の整備 A子どもサービス拠点としての機能の充実 中央図書館を世田谷区全体の子どもサービスの拠点として、区立図書館における子どもサービスや区内の子ども読書に関する取組みを支援する機関として位置づけた「中央図書館機能拡充基本構想報告書」をもとにとりまとめた機能拡充の方向性に基づき、教育センター機能移転後の施設活用における中央図書館子ども図書館機能についても検討を進めるとともに、若い世代を対象とした図書館サービス機能整備を検討・実施します。 事業項目 中央図書館の機能・施設規模・設備の拡充・検討(子ども図書館機能) 【一部新規】 【再掲】 令和4・5年度の取組み ・子ども図書館機能の検討 ・若い世代を対象とした図書館サービス機能(整備)の検討・実施 施策の方向性 (3)世田谷の教育・文化機関と連携する 取組項目 @区の教育機関・文化施設等との連携の拡充 区内の資料館・美術館等の文化施設や大学・大学図書館等の教育機関との連携を深め、それぞれの活動や事業に関する情報を提供・発信しあうとともに、資料館・大学図書館等の見学会、学芸員や大学教員等を講師とした講座・講演会など、連携した事業のあり方についても検討します。 事業項目 区の他機関や大学・大学図書館等との連携の拡充 令和4・5年度の取組み ・連携の拡充検討・実施 A町会・自治会や商店街等民間団体との連携の推進 町会・自治会や商店街といった区民にとって身近な団体との連携を図り、区民が生活する身近な場所で本が手に取れ、本に関わる取組みが行われる環境を作ります。 事業項目 町会、商店街等の地域団体との連携【再掲】 令和4・5年度の取組み ・連携の検討・実施 B本や読書に関する区民団体との連携の推進 本や読書に関する活動を行うNPOやボランティア、区民団体などの地域活動団体を育成・支援し、連携を図ります。さらに区内の書店や出版社等とも事業や事業の周知・啓発等による連携を通じて、より一層身近な場所で本を手に取れる環境の整備や、区内での本に関わる取組みの充実を図ります。 事業項目 書店・出版社等との連携事業の検討【再掲】 令和4・5年度の取組み ・連携した事業や周知・啓発・支援活動の検討 基本方針 6.専門性と効率性を両立した運営体制の構築 令和2年度に、学識経験者や公募区民からなる「世田谷区立図書館運営体制あり方検討委員会」を組織し、図書館サービスのあり方や運営体制などについて検討し、報告書がとりまとめられました。報告書を踏まえた方針では、@中央図書館のマネジメント機能強化A民間活用B(仮称)図書館運営協議会の設置、の3つを取組みの柱としました。第3期行動計画でもこの3つの柱の実現に向けて取組みを進めていきます。 施策の方向性 (1)民間活用を計画的に導入する【修正】 取組項目 @ネットワークの中心となる中央図書館の運営体制の検討 中央図書館は、区立図書館の専門性や公共性を維持し、地域図書館等のバックアップや統括的な指導・調整・管理などのマネジメント機能を強化し、図書館ネットワークの中枢としての拠点機能を担う必要があります。中央図書館の当該機能を強化するため、区職員の専門性の確保・育成を図る人材育成計画の推進や人材確保策の検討とともに、レファレンスや選書・除籍、長期的視野に立った計画・目標設定などの専門性や公共性を必要とする業務で、統括的な役割を的確に果たすための組織体制を整備していきます。 事業項目 中央図書館のマネジメント機能の充実【新規】【再掲】 令和4・5年度の取組み ・人材確保と組織体制の整備 事業項目 職員の人材育成計画の運用 【新規】 令和4・5年度の取組み ・職員の人材育成計画の運用・推進 Aニーズに応じた多様な運営体制の検証・構築 多様化する区民ニーズを的確に捉え、図書館サービスをより効率的に充実するため、地域図書館等への民間活用の導入を進めます。既に指定管理者制度を導入している経堂図書館の更新に加え、新たに烏山図書館と下馬図書館の2館の地域図書館へ令和4年度から指定管理者制度をモデル的に導入し、全区立図書館の評価・検証、検討を進めていきます。 事業項目 運営体制の方針に基づく地域図書館への民間活用の推進・検証 令和4・5年度の取組み ・民間活用の推進 ・民間活用館の評価・検証 施策の方向性 (2)職員に必要なスキルと専門知識の向上を図る 取組項目 @職員の専門性向上に向けた取組みの強化 事業項目 職員の人材育成計画の運用 【新規】【再掲】 令和4・5年度の取組み ・職員の人材育成計画の運用・推進 ・各種研修の充実 施策の方向性 (3)事業・運営の指針・目標を示す 取組項目 @定期的な事業の実施状況や運営状況の評価 図書館運営へ利用者の視点を取り入れるため、利用者やボランティア、学識経験者等からなる(仮称)図書館運営協議会を設置し、利用者の視点や学識経験者の見識から図書館全体の事業の実施状況や運営状況を評価・検証することにより、図書館の公共性を捉え、区民のニーズに即した図書館運営や図書館サービスの向上を図っていきます。 事業項目 (仮称)図書館運営協議会による事業の実施状況や運営状況の評価・公表 【新規】 令和4・5年度の取組み ・図書館評価の検討 ・(仮称)図書館運営協議会の設置、運用【再掲】 事業項目 定期的なニーズ調査・満足度調査の実施 令和4・5年度の取組み ・来館者調査、郵送調査の実施 A評価への利用者の視点の取り込み (仮称)図書館運営協議会での評価・意見や利用者アンケートなどを通じて利用者動向やニーズを把握するとともに、日々寄せられる要望を精査することを通して、利用者にとって、より便利で有用な図書館サービスを実現するとともに、より多くの区民が利用する図書館をめざします。 事業項目 評価・調査等を踏まえた改善策の作成・実施 令和4・5年度の取組み ・改善策の検討・実施 資料編 1.図書館の利用状況推移 2.コロナ禍の影響 (平成31年4月〜令和3年10月) 3.特別区(23区)の図書館統計比較 4.各図書館の地域特性展示コーナー一覧 5.世田谷区立図書館についてのアンケート調査結果概要 6.世田谷区子どもの読書に関する実態調査結果概要 資料編の詳細はお問い合わせください。