別紙1 意見・提案の概要と区の考え 以下、世田谷区認知症とともに生きる希望条例を条例、世田谷区認知症とともに生きる希望計画を計画と略称します。 計画全体に関する意見(3件) 意見・提案の概要 1 認知症の方を介護しているが、計画のことは全く知らなかった。 2 計画の内容が参考になった。 区の考え 条例、計画を知っていただけるよう広報し、より多くの認知症の本人や家族を含めた区民、地域団体、関係機関、事業者等との連携・協働を図りながら「一人ひとりの希望及び権利が尊重され、ともに安心して自分らしく暮らせるまち、せたがや」の実現を目指していきます。 意見・提案の概要 3 計画をロジックモデルにすることで、PDCAサイクルの実効性を確保できると考える。 区の考え  第2期計画において、成果指標と目標値を設定するとともに、計画に基づく各施策の進捗について、世田谷区認知症施策評価委員会に定期的に報告し、目標達成状況の確認及び評価・検証をしながら、計画の進行管理を行っていきます。 本人発信・社会参加の推進(2件) 意見・提案の概要 4 認知症本人の体験や思いの発信先の拡充に期待したい。 5 認知症の方の話を初めて聞き、認知症に対するイメージが変わった。こういう機会が増えて、認知症への誤解をなくせると良いと思った。 区の考え 第2期計画における特徴的な取組みとして、「本人発信・社会参画の機会の拡充」を位置付けています。認知症の本人が自らの思いや体験、経験をオープンに発信できる機会を一層広げる取組みを行っていきます。 条例の考え方・理解を深める取組み(11件) 意見・提案の概要 6 地域のすべての介護従事者がアクション講座を受講するようにする。 7 本人や家族、地域の方がアクション講座を簡単に受講できるようにする。 8 介護従事者が連携し、地域で認知症に対しての理解を深めていける場所になってほしい。 9 認知症に対する理解の促進は重要だと思う。 10 家族として、もの忘れが進むことを少しでも食い止めたい思いはある。本人も同じ。希望を持って生活できるようになるには、まち全体の意識が変わることが大切。 11 認知症のあるなしに、こだわらないまちになったらいい。 区の考え 誰もが認知症を「自分ごと」として捉え、希望ある新しい認知症観へと転換できるよう、より多くの区民や事業者の皆様がアクション講座を受講できる機会を増やしていきます。 意見・提案の概要 12 「認知症にならなければいい」「認知症になりたくない」という意識レベルだけで「やる気度」「実行力」が異なってくる。「認知症」になりたくない人へのアプローチも必要ではないか。 13 一般の人の理解を進めるためには、アルツハイマー月間などを活用してPRしたほうがよい。 区の考え 多様な媒体や介護予防等の取組みの機会を活用して、区民の皆様への情報発信を行っていきます。 意見・提案の概要 14 他県で、小学生と一緒に高齢者や認知症の方への声のかけ方、見守りのポイントについて学ぶ教室をやっていた。こんな取組みが区内の多くの学校で開催されると良い。 区の考え 教育分野(小中学校等)でのアクション講座の実施回数を増やすとともに、今年度作成予定の子ども向けアクションガイド(アクション講座のテキスト)を活用しながら、認知症の本人の声を聴き、交流等の体験をすることで、認知症の人の気持ちを理解し、自分たちにできることを考えるきっかけづくりを行っていきます。 意見・提案の概要 15 松沢病院の先生方の講演会を多くしてほしい。 区の考え より多くの皆様に認知症に関する理解を深めていただけるよう、講演会等を実施していきます。 意見・提案の概要 16 認知症に理解がある商店や人、専門職の共通のサインがあるといい。 区の考え 全ての人にとって暮らしやすい地域を目指して、公共サインや道路、商業施設等での、認知症とともに暮らしていくうえで障壁(認知症バリア)となるものを認知症の本人とともに見つけ、関係機関や企業等との連携により、その解消に向けた話し合いの機会を作っていきます。 備えの推進「私の希望ファイル」(6件) 意見・提案の概要 17 認知症の方が、自分の希望を周りの方に伝えることは、とても大事だと感じた。認知症になってからでなく、いつも希望を持って、暮らしていけると、もっといい街になると思う。 区の考え 本人が思いや希望を表出し、ともに実現できる環境を整えていきます。また、様々なツールや取組みを活かし、認知症になる前から、家族や日常的に関わりのある関係者等へ伝えていけるよう、アクション講座等の際に、本人の希望について考える機会を作っていきます。 意見・提案の概要 18 認知症を診断されると、本人の意向をあまり聞かずに暮らし方を変えられたり、ケアプランなどが作成されることに違和感を感じる。高齢者と関わってきた人の意識改革も必要である。 区の考え 第2期計画の特徴的な取組みとして、「専門職や医療機関との連携による認知症ケアの充実」を位置付けており、認知症の本人の尊厳と権利を最大限に尊重した意思決定支援が行えるよう、ケアマネジャー等の専門職と、かかりつけ医等の医療機関との連携を強化し、条例の考え方を踏まえた認知症ケアの充実を図っていきます。 意見・提案の概要 19 認知症の検査体制を整備・拡充し、65歳以上の認知症患者以外の区民が、気軽に受診できるようにすること。 20 現在の認知症の検査は自費のため、認知症の早期発見と予防に大きな障害となっている。認知症検査のための費用を助成すること。 21 かかりつけ医が、もの忘れに関して「あまり気にせず歩いたり人と話したりしたほうがよい」と言ってくれるが、認知症の検査をしてくれない。 区の考え 認知症検診を含む今後の認知症の早期発見に向けた体制の充実にあたっては、医療・介護・福祉関係者との連携が重要であることから、関係機関との協議を重ね、他自治体の事例も参考にしながら、有効な体制を整備していきます。 意見・提案の概要 22 ケアの技法「ユマニチュード」を導入すれば、今後のウィズ認知症社会の道標となるのではないか。 区の考え 第2期計画の特徴的な取組みとして、「専門職や医療機関との連携による認知症ケアの充実」を位置付けています。本人の希望や想いに寄り添った認知症ケアの充実に向けて、専門職や医療機関との連携を強化していきます。いただいたご意見は、今後の取組みの参考にさせていただきます。 地域づくりの推進(12件) 意見・提案の概要 23 アクションチームの取組みの輪の中に、当事者も含め、1人でも多くの人が関わりを持てることを望む。 24 日常的にアクション参加ができる方法があると良い。 25 地域コミュニティとの繋がりがとても重要。いろいろな取組みを進めて欲しい。 26 アクションの輪が、地域が偏ったり、形だけにならず広がることを願う。 区の考え 第2期計画における特徴的な取組みとして、「本人が参画したアクションの充実」を位置付けています。各地区で始まっているアクションに、より多くの本人が参画し、区全体でアクションチームの取組みを発展させていきます。 意見・提案の概要 27 あんしんすこやかセンターが中心となって、認知症に関わる人が連携すること。 28 全てのあんしんすこやかセンターが協働し、同じ具体的な目標を掲げ進めること。 区の考え 第2期計画の目標を実現するため、あんしんすこやかセンターや地域づくりの推進役との連携・協働のもと、各地区で始まっているアクションにより多くの認知症の本人が参画し、より良い取組みを全区で情報共有しながら、全28地区で活動を広げていきます。 意見・提案の概要 29 28地区でのアクションは、当事者の出席率のみを評価するのではなく、アクションを行ったことで、認知症への不安の解消や支援への連携の評価を期待する。 区の考え アクションについて、様々な観点から評価するとともに、より良い取組みについて、情報共有しながら、全28地区でアクションを充実させていきます。 意見・提案の概要 30 住宅街に防犯カメラの設置を拡大し、行方不明対策にも使ってほしい。 31 行方不明になる高齢者の対策はできているのか。 32 先日、家族が行方不明になった。身なりは普通でも行動がちょっと気になる高齢者に、さりげなく声かけができるやさしいまちになったら、安心して外出させられると感じた。 区の考え 安全・安心な外出を守る取組みとして、事前の備えに関する情報発信及び住民同士で支え合う意識醸成を図るとともに、警察署や関係機関等との連携体制の強化に取り組んでいきます。 意見・提案の概要 33 情報の収集と発信の場として福祉カフェを行う。福祉カフェは、認知症カフェや障害者の就労の場として、地域の繋がりを作る場になってほしい。 区の考え ご提案の福祉カフェは、交流や情報交換、社会参加の場になることが期待され、本人や家族等の支えになると考えております。いただいたご意見は、今後の取組みの参考にさせていただきます。 意見・提案の概要 34 認知症の方と支援者が安心して楽しくみられる日(時間)を設けた世田谷の祭りの実施(ボロ市、世田谷区民まつり等)を希望する。 区の考え 条例が目指す「安心して暮らし続けられる地域共生社会」を実現するためには、祭りやイベント等に誰もが安心して参加できることが重要であると考えております。いただいたご意見は、今後の取組みの参考にさせていただきます。 暮らしと支えあいの継続の推進(7件) 意見・提案の概要 35 人の為に役に立つことが病院の直行を食い止め、生きる希望になると思うが、行政の手が届くのはひと握りのみ。 区の考え 第2期計画の特徴的な取組みとして、「診断後支援・相談体制の強化」を位置付けており、あんしんすこやかセンター等で認知症診断後の本人や家族等の相談者に寄り添う対応の充実を図り、気軽に相談いただける環境を整えていきます。 意見・提案の概要 36 認知症の良いイメージは、認知症で困っている家族にとっては現実とのギャップがある。支援を受けることで、イキイキと生活ができるという事実を伝える際には、認知症で困りごとがある本人や家族介護者への救済を期待する。 37 「診断後支援・相談体制の強化」の取り組みの一つとして、「認知症の人と家族の一体的支援」を取り入れることを希望する。 区の考え 身近な相談窓口である、あんしんすこやかセンターにおいて、認知症の本人だけでなく、家族の方への継続的な支援の充実を図るとともに、地域活動や社会資源等のインフォーマルな情報共有も案内できる相談支援体制の強化に取り組んでいきます。また、現在、本人と家族が集える場として、「認知症カフェ」が区内各地で展開されており、身近な場所で交流したり、医療福祉の専門職と相談できる等、様々な形態で運営されています。今後も、本人や家族等の状況やニーズに応じた支援の充実を図っていきます。 意見・提案の概要 38 認知症は本人が治したいと思うか、によって対処法が異なる。計画では、「認知症は治らない・治したい人は存在しない」という前提で進められている。 区の考え 第2期計画の特徴的な取組みとして、「専門職や医療機関との連携による認知症ケアの充実」を位置付けています。本人の希望や想いに寄り添った認知症ケアの充実に向けて、専門職や医療機関との連携を強化していきます。 意見・提案の概要 39 心身の状況や置かれた環境などから、適切なサービスが利用・提供されないために生活が危機的な状況に陥ってしまうことが考えられる。判断能力が不十分な方々が適切な福祉サービスを利用・提供されるための対応(福祉緊急対応)について、「セーフティーネットの充実」の項目に追記してほしい。 区の考え 主な取組みの方針5「セーフティーネットの充実」の項目に「各種制度を円滑に利用できない方への支援の強化」を追記しました。 意見・提案の概要 40 介護指導職員を全総合支所保健福祉センターに配置してほしい。 区の考え 認知症の方の人権や権利を守り、安心して暮らし続けられる地域共生社会を実現に向けて、相談支援体制の強化に取り組んでいきます。いただいたご意見は、今後の取組みの参考にさせていただきます。 意見・提案の概要 41 成年後見制度について記載する際は、国連障害者権利委員会より、現在の法規定の見直しの勧告があり、制度の見直しが求められている課題を明記すること。 区の考え 制度や取組みごとの課題については記載いたしませんが、今後の動向も注視しながら各取組みを推進していきます。 その他(5件) 意見・提案の概要 42 認知症になる人とならない人の生活の徹底的な比較が必要である。 区の考え 今後、様々な研究結果等を注視しながら、認知症施策を総合的に推進していきます。 意見・提案の概要 43 個人情報の取扱いについて、昨今起きている犯罪などに利用されることのないように気を付けてほしい。 区の考え 世田谷区個人情報保護条例に基づき、個人情報を適正かつ厳重に管理いたします。 意見・提案の概要 44 独居高齢者や高齢夫婦が認知症になった場合に、速やかに介護施設に住み替えた上で、既存の住居を処分できる仕組みを構築すべき。 区の考え 認知症の方の人権や権利を守り、安心して暮らし続けられる地域共生社会を実現する必要があると考えております。いただいたご意見は、今後の取組みの参考にさせていただきます。 意見・提案の概要 45 医療・介護・福祉・保育が革新的に進歩すれば、沢山の人を救助支援出来る社会になるのではないか。 区の考え 今後、様々な動向を注視しながら、認知症施策を総合的に推進していきます。 意見・提案の概要 46 「認知症になってからも安心して暮らせるまち せたがや」というフレーズは、高齢者からとても不人気。誰もが良いなというフレーズがあると良い。 区の考え 区では、子どもから大人までの全ての区民が認知症を自分のこととして捉え、誰もが当たり前に自分の希望と権利が尊重され、住み慣れた地域で暮らし続けられるまちを目指しています。いただいたご意見は、今後の取組みの参考にさせていただきます。