「認知症とは何ですか?」 認知症とは、暮らしの障害です。脳の病気やさまざまな原因によって脳の働きが低下し、 日常生活や社会生活を送るうえで支障が出てくる状態です。「認知症=もの忘れ」 と思われがちですが、もの忘れ以外の症状が見られることもたくさんあります。 認知症はどんな経過をたどるのでしょうか?  認知症の症状や経過は、 一人ひとり違います。 一般的に認知症の症状は長い年月をかけて緩やかに進行すると言われています。急激に状態が変化した場合は、ほかの病気が影響していたり、 本人を取り巻くさまざまな環境によるストレスで症状が強く見られることもあります。早い段階から認知症について正しい知識を学び、備えていきましょう。 「最初の相談」についてです。「認知症かもしれない。」と思ったら、どこに相談したらいいでしょうか? まずは、お住まいの地区の「あんしんすこやかセンター」にご相談ください。世田谷区では、地域包括支援センターのことを「あんしんすこやかセンター」と呼んでいます。あんしんすこやかセンターでは、認知症に関する 「もの忘れ相談」 を行っています。その他、自主グループなどの地域の取組みや介護保険、保健福祉サービスなど、さまざまな相談を無料で受け付けています。 この冊子の裏表紙にあんしんすこやかセンターの一覧があります。区のホームページの「あんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)一覧」のページに掲載しています。 世田谷区の認知症関連事業として、「もの忘れチェック相談会」があります。認知症が疑われる方やそのご家族を対象に、医師と個別に相談できる予約制の相談会です。また、「認知症初期集中支援チーム事業」もあります。認知症または、認知症疑いの方やご家族を対象に、医療・福祉の専門職からなる「認知症初期集中支援チーム」が、6ヶ月程度、定期的に家庭訪問し、認知症に関する正しい情報提供のほか、認知症の進行や、生活、介護に関する心理負担の軽減、適切な医療、介護サービス利用などの支援体制を作ります。 また、「高齢者安心コール」では日常生活の困りごとや、見守りに関する相談を24時間365日受け付けています。相談内容に応じて電話訪問員による電話訪問サービスやボランティアによる訪問援助サービスがあります。高齢者安心コールの電話番号は03-5432-1010です。FAX番号は03-5432-1030です。 「受診について」副題は「病院について。早めの受診をお勧めします。」です。 認知症について、どこの病院に相談するとよいでしょうか? まずは、普段の様子を知っている、かかりつけ医にご相談下さい。 必要に応じて、かかりつけ医が専門の医療機関をご案内します。かかりつけ医がいない場合は、一般的には、神経内科や精神科、脳神経外科などで診断を受けられます。「もの忘れ外来」や「認知症外来」と表記している医療機関もあります。 世田谷区には、「世田谷区もの忘れ診断地域連携」という、地域の身近な病院と、専門医療機関である、もの忘れ診断ネットワーク病院が連携して、専門的な検査や治療などにつなげる仕組みがあります。 また、世田谷区内にある、認知症疾患医療センターとして、地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立松沢病院、認知症疾患医療センターがあります。代表電話番号は03-3303-7211です。 ここでポイントとして、認知症サポート医の説明をします。国や東京都による、適切な認知症診療の知識や技術などを習得する研修を受講した医師を「認知症サポート医」といいます。認知症サポート医の一覧は、ホームページ「とうきょう認知症ナビ」 に掲載しています。 「早めの受診」がいいのはなぜでしょうか? 早めの受診をお勧めする理由は、早めの治療や体調管理で症状が改善することがあるからです。治療が可能な病気が見つかることもあります。認知症と似た症状が出る病気は、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症、ビタミンB1、B12欠乏症、アルコール依存症などがあります。 受診するとき、医師に伝えるポイントがあります。日ごろ気がかりに感じていること、気になり始めた時期やきっかけ、具体的な様子や場面、更に、生活リズム、食事、外出や友人との交流など以前の生活と今の生活で変わった事、過去の病歴などを伝えましょう。あらかじめ伝えたいことや医師に聞きたいことをメモしておくとよいでしょう。 また、若くても認知症になることがあります。65歳未満で発症する認知症を、「若年性認知症」といいます。本人が働き盛りであり、家庭や社会で重要な役割を担っているので、 仕事や経済的な問題、人間関係、子どもたちなどのこころへの影響が、大きな悩みとなります。詳しくは、パンフレット「若年性認知症のかたへ」、をご覧ください。区のホームページの「若年性認知症の方への支援」のページになります。 世田谷区には「舟」という若年性認知症カフェがあります。舟の代表のかたは、「利用できる公的サービスや支援が乏しい若年性認知症の方にとって社会資源となる場をつくりたいと、認知症カフェを始めました。ヤングケアラーのかたにもお越しいただきたいです。」と語っています。「舟」を利用している認知症本人の家族は、「仲間と出会い、道がひらかれ、希望が持てることを願っています。」と語っています。 このページの説明は、これで終了です。