二人の認知症本人の日常を紹介します。 このページは「わたしの日常(Aさんの場合)」です。 Aさんは「仲間と毎日楽しく過ごしたい。」という希望をもって生活しています。 診断に至った経緯 家族に受診を勧められました。最初、家族に「もの忘れが増えたみたい。病院に行ったほうがいいよ。」と言われたときは驚きましたが、お互いの安心のために受診しました。 病院を受診してみてどうでしたか? いろいろ検査されて訳も分からず…という感じでした。自分はまだがんばれる、と思うこともあります。いま通っている病院は、先生が親切だから安心です。 普段はどのように過ごしていますか? 毎日、運動をかねて買い物に出かけています。それ以外にも、体操に出かけたり、知り合いと一緒に近所の公園でグラウンドゴルフを楽しんでいます。月に1回はあんしんすこやかセンターの体操にも出かけています。友達も自分の状況を分かってくれているので、出かけようと誘ってくれたりします。いざというときには安心です。 ここでポイントとして、フレイル対策についての説明をします。 タイトルは「元気に暮らし続けるために3つの柱でしっかりと!」です。 フレイルとは加齢にともない、体力や気力が低下し、食欲や活動量が低下して虚弱になっていく状態のことを言います。 3つの柱の1つ目は社会参加です。1日1回以上は外出をして、週1回以上は友達との交流を心がけましょう。2つ目は身体活動です。たっぷり歩き、ちょっと頑張って筋トレにチャレンジしましょう。3つ目は栄養です。バランスの取れた食事、定期的な歯科健診でお口の健康を維持しましょう。健康長寿のそなえとして、社会参加、身体活動、栄養が大切です。一緒に取り組んでみませんか。 次にAさんが生活で困っていることに対し、どんな対処法や工夫点があるか紹介します。 鍵や携帯電話をなくしてしまう場合は、音で気づくように鈴をつけたり、カバンに鍵や携帯電話を結びつけてみましょう。忘れ物防止用のスマートタグをつけるのも有効です。 薬を飲んだか忘れることがある場合は、携帯電話のアラームや服薬カレンダーを使ってみましょう。他にも服薬ボックスや服薬支援ロボットなど、服薬を支援する道具があります。 だんだんと料理がおっくうになってきた場合は、市販の総菜や料理キット、配食サービスなどを利用してみましょう。 約束を忘れることがある場合は、ひとつのカレンダーに予定を書いたり、カレンダーをシンプルで見やすいものにしてみましょう。メールやライン、ファクシミリなど履歴が残る方法で連絡し合うのも良いでしょう。 帰り道がわからないことがある場合は、「希望を叶えるヘルプカード」や、周りの人に気付いてもらう「ヘルプマーク」を活用したり、事前に周囲に声かけをしたり、相談をしてみましょう。また、GPSの機能が付いた携帯電話や時計、靴などの、外出を応援する機器を活用してみましょう。「高齢者見守りステッカー」を活用する方法もあります。希望をかなえるヘルプカードや見守りステッカーは、「7_暮らしを支えるサービス・「そなえ」について・気づきのチェックリスト」」のページで詳しく解説しています。 次に、在宅療養・ACPガイドブックについての説明をします。在宅療養・ACPガイドブックのタイトルは「ライフ これからのこと」です。在宅療養・ACPガイドブックとは、もしもの時に受けたい医療やケアを身近な人と話し合うための冊子です。 在宅療養・ACPガイドブックを利用したAさんからのメッセージを紹介します。「いつまでもわたしらしく暮らしていきたい。そんな気持ちを誰かに伝えるなんて考えもしなかったです。今は自分の気持ちを誰かと共有するのが当たり前になっています。自分のことを振り返る時間になってとても良かったです。」 このページの説明は、これで終了です。